●“P2P(Peer to Peer)”ソフトといえば、誰もが真っ先に頭に思い浮かべるのが、あの「Winny」だろう。著作権を侵害した違法コンテンツが交換され、悪質なコンピュータ・ウイルスが蔓延するアンダーグラウンドなネットワークというイメージが強い。感染者のPCにあるファイルを勝手にWinnyネットワーク上に「放流」するウイルスは、大手企業や官公庁まで巻き込んだ個人情報漏えい事件を数多く引き起こし、社会問題化した。2004年5月には開発者の金子勇氏が著作権法違反幇助の容疑で逮捕され、現在も大阪高等裁判所で係争中である。 ●ダークサイドばかりが強調されがちなWinnyであるが、技術的な側面から見ると違う姿が見えてくる。Winnyネットワークは、ブロードバンドで接続された120万以上のノードが自律的に動作して機能する「オーバーレイネットワーク」であり、きわめて低コストでマルチメディアコンテ