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ブックマーク / blog.a-utada.com (11)

  • 秋葉原殺傷事件についての意外な反応: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    みんなが情報発信者になるのは、きわめて望ましいことのはずだった。 しかし、秋葉原の無差別殺傷事件では、非難を招く事態が起きている‥‥ ●事件の野次馬がことのほか不謹慎に見える理由 ネットに犯人の痕跡が残された事件を何度か取り上げてきたが、その結果、何かがわかったかというと、そうでないことのほうが多い。犯人の以前の行動と一貫性があって事件が起きたというぐあいに見えないからだ。 秋葉原の事件については、非正規雇用の不安定さが背景にあったと言われる。実際、犯人がもし正規雇用だったら事件を起こしていない可能性は高いだろう。ただ、いうまでもなく、同じ環境の人間がみな犯罪を犯すわけではないし、そもそもまとめサイトなどに載っている犯人とおぼしき人間が携帯サイトに残したかなりの量の書きこみを読むと、ルックスの良くない自分に彼女がいない不満が延々と書きつづられている。 こうした感情は、若い男性にはありふれた

  • わかっているようでわからないひろゆきの謎: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    2ちゃんねる閉鎖か、という話がかけめぐっている。 ほんとうに閉鎖されるかどうかはともかく、管理人の ひろゆきが危ない綱渡りをしているのは確かだろう。 ●巧妙な仕掛けと大胆不敵な対応 2ちゃんねるで誹謗中傷された男性が、書きこみをした人についての情報開示を請求した。管理人の西村博之氏(通称ひろゆき)は裁判に応じず、昨年 9月に開示を命じる仮処分が出た。それにも応じなかったために1日5万円の制裁金が科されたが、それも無視。ひろゆきの財産の差し押さえが申し立てられ、 2ちゃんねるにも影響が及ぶのではないかと懸念されている。 昨年春、参加しているいくつかの集まりのひとつにひろゆきがやってきて、彼の話を聞いた。「争うのが嫌い」だそうで「負けるが勝ち」の方針のも と、裁判にはいっさい出廷せず、何の反論もしないので敗訴するが、賠償金もすべて払わないことにしていると言っていた。最初の裁判で400万円の支払

  • 日本のネットが匿名志向の強いその理由: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    匿名による情報発信が多いというのは、 日人の性格を考えてみるうえで、興味深い現象だ。 日人のコミュニケーション感覚が見えてくる。 ●流動性の乏しい社会の情報発信 日のネットでの情報発信は、アメリカなどに比べて匿名志向が強いと、調査データなどをまじえて以前書いた。なぜそうなのかは考えてみるべきことではないか、と問題提起しながらも、その答えははっきりとは書かなかった。 なぜそうなのか、いまひとつ私にもよくわからなかったからだ。 でも、それから少し経って、気づいたことがいくつかある。ネットでは関心が高いようだし、問題提起してそのままというのも何なので、年が変わらないうちに、思いあたったことを書いておこう。 アメリカでも、子どもがネットで個人情報を書きこんだために性的被害に遭うといった事件もあり、実名を明かすことの怖さは知られるようになってき た。また、ブログに書いたことが会社で問題になり、

    Dryad
    Dryad 2006/12/17
    匿名志向の強弱は社会の流動性の高低と結びついている、という意見。
  • アメリカは超実名社会なのか?: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    アメリカだって匿名社会じゃないか、 そう思っていたとしたら、とんでもない。 ベストセラーに書かれた驚くべきアメリカ社会の実態。 ●「実名・匿名」論争 最近のこのコラムの中で、ネットでダントツに関心が高かったのは、「日のネットはなぜかくも匿名志向が強いのか」と題した回だった。匿名による情報発信の問題が気になっている人は、少なくともネットでは多いようだ。 もっとも、匿名と実名のどちらで発信すべきかを、ネットでオープンに議論しても仕方がないと私は思っている。 ネットでの個人の情報発信は圧倒的に匿名が多い。実名で情報発信しろというのは、最初から、圧倒的多数の人々を敵に回して議論を始めるようなものだ。結果は見えている。 先のコラムには、「実名で発信するアメリカのほうが異常なんじゃないか」という反応もあったが、「平気で実名で書いているほうが不思議」というのは、日のネットの平均的感覚だろう。 私も先

  • 事実上、無限のチャンネルを持つテレビ: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    テレビ受像機の用途はあまりに限られ、 テレビ局は驚くほど恵まれた存在だった‥‥と、 実感される時代が着実に来つつある。 ●一変しつつあるテレビ視聴 家の中でテレビほどいい位置を占めている装置はない。ほとんどの家庭で居間の中心の一等地にある。それなのに、長らく、東京などの大都市でもわず か6つのテレビ局がその画面を占有していた。その後、ビデオやゲームの表示媒体にもなり、衛星放送やケーブルテレビが出てきてもう少し用途が増えた。それ でも、地上波のテレビ局の優位は揺らいでいない。 その一方、デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)が普及し、テレビの見方は大きく変わり始め ている。私も以前は、事のときなどすぐにテレビをつけて、ヒマだからという理由だけで、たいして興味がない番組でも見ていた。しかし、そうしたテレビの 見方は過去のものになってきた。リアルタイムのテレビを見るかわりに、DVRで録画した番

  • ブログや動画配信サイトで損しているのは誰か?: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    みんなで楽しめればいいじゃん、などと、 利用者が呑気に思っている傍らで、 ビジネス・サイドは、広告収入の分配について思案をめぐらしている。 ●考えられるユーチューブのビジネスモデル 映像や音楽を無断で使われるのは、制作者にとってほんとうに損なのか。 一般的には損だと思われているし、実際そうであることも多いだろう。 ところが、そうではないとコンテンツ企業を納得させ始めた会社が現われた。日でも大人気の無料動画配信サイトの『ユーチューブ』である。 ユーチューブは、10月9日に日円にして2000億円近い額でグーグルに買収されたが、独立のブランドで事業を続けると言い、同じ日に、音楽企業や大手テレビ局との新たな提携と発表している。 ユニバーサル・ミュージックやソニーBMGミュージック・エンターテインメント、あるいは先に提携が発表されたワーナー・ミュージックは、ユーチューブで ミュージック・ビデオを

  • おじさんたちのインターネット: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    インターネットは若者の文化というのは いまやかならずしも正しくはない。 ネットで熱く議論しているのは、じつはおじさんたち ●2ちゃんねるの年齢構成の劇的な変化 インターネットは若者の文化で、おじさんたちはなかなかついて行けない、と一般には思われている。 でも、ほんとにそうかな、と思うこともある。 ある部分ではむしろ逆で、若い人々が「おじさんたちのインターネット」にはついていけない、と思っているのではないか。 たとえば、ネットであれこれ理屈をこねてケンカしているのはどうもおじさんが多い気がする。もちろんネットの向こうにいる人の年齢や性別はわかりにくい。 だけど、ふとしたはずみに漏れる個人的な情報から、なんとなくその人の年がうかがえる、ということはある。そうすると、なんだ、この人も私と同じぐらいのおじさんだったのか、とわかるわけだ。 ネット視聴率会社ネットレイティングスの調査から明らかになる、

    Dryad
    Dryad 2006/07/01
    各種調査結果より。2ch&ブログ=おじさん、mixi=若者。
  • 日本のネットはなぜかくも匿名志向が強いのか: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    誰が読むのかわからないブログや掲示板などでは、 匿名が当たり前になった。とはいえ、日の常識が 世界の常識かといえば、かならずしもそうではない。 ●アメリカのブログは実名が多数派、日は匿名が9割 5月26日に発表されたインターネットコムと goo リサーチの調査によれば、ブログ作成経験者のうち実名を公開している人は6.62%に過ぎず、それ以外はみな匿名だったという。 この調査はgooで募集した人たちが対象だから、実名でブログを書いていることが多い芸能人やライター、専門家などはほとんど含まれていないだろう。実際よりは匿名の割合が高いと思われるが、日のブログの大半が匿名なのは確かだ。 これが世界的にも標準かというと、そうではない。MITのメディアラボで博士論文を書いたファナンダ・ヴィエガスの04年の調査では、英語でブロ グを書いている人の55パーセントが実名、それ以外の人も20パーセントは

  • (今ふう)ジャーナリズムとは何か: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    「ジャーナリズムとは何か」などということに 一般の人が興味があるとは信じられないのだけど、 なぜかネットでしばしば熱っぽい議論になっている。 ●ジャーナリズムは娯楽機関? どういうめぐりあわせなのかわからないけど、このところジャーナリズムとは何かを考えなければならないことが続いている。 大学などに呼ばれて、ジャーナリズムについてしゃべるように言われたり、ジャーナリズムについての研究会に参加することになったり、あるいは、「おまえはジャーナリストじゃない」とネットで怒られたりと、まあそんな具合だ。 実際のところ、「おまえはジャーナリストじゃない」と言われれば、ああそうかも、と思う。興味のあることを書いているだけなので、ジャーナリズム かどうかを書くときの基準にしているわけではないからだ。だから、そんなに重要なことのように思えない。だけど、なぜか一般の人にもこうした問題は関心が あるようで、ネッ

  • われわれがオウム事件で忘れていること: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    オウム信者を非難するのに熱心で、 彼らが何を考えているかわかっていない。 そう気づかされるインタヴューがネットで公開されている。 ●終わっていないオウムの事件 オウム真理教(現アーレフ)の事件は、松智津夫被告の東京高裁への控訴が棄却され、死刑確定の可能性が高まる一方で、上祐史浩代表がオウムを出て新教団を設立するといったことが報じられている。 前回書いたように、最近までオウム内にいて精力的にブログを書き続けていた出家信者・松永英明氏のインタヴューがネットで公開された。ブログの記述によれば、松永氏の教団との関わりは次のようなものだという。 数々のテロ行為発覚後しばらく「教団の別の小グループとして存在」していたものの、上祐代表が出所し、教団に復帰した2000年にふたたび出家信 者として戻った。アーレフの刊行物の編集などにかかわり、関連を出している東山出版社の社長を務めるなどしたが、03年半ば

  • われわれはみな「隠れオウム」の容疑者: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    有力ブロガーがオウム真理教の信者だとわかった。 その人物への4時間にわたるインタヴューが、 ネットに掲載されて、話題を呼んでいる。 ●暴かれたオウム信者のブログ 松永英明氏は、オウム真理教内で編集の仕事にかかわり、オウムの出版社の社長を務めたりしながら、その事実を秘して精力的にブログを書き、有力なブロガーの一人と見られていた。一般の出版社からも何冊もを出している。 そのうちの一冊は私も読んでいた。きちんとしたで、有能なライターのように感じられた。 それだけに、フリージャーナリストの野田敬生氏の追及で、オウム真理教の信者だったとわかったときにはびっくりした。 暴かれたその素性は、ネットのディープな情報に通じている人々にはさらに驚くべきものだった。 松永氏は、96年から2000年まで「河上イチロー」という名前で、公安や内外の政府の諜報活動について異様に詳しいサイトを作っていた伝説的な人物だ

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