広島市教育委員会が独自の平和教育教材から漫画「はだしのゲン」を削除する方針を決めた問題を受け、ゲンの講談を全国各地で演じる神田香織さん(68)が4日、広島市で、抗議の思いを込めて口演した。講談の前に「ゲンを通じ、沖縄やウクライナなどへ想像力を働かせることができる。戦争が身近にある今だからこそ、作品を再評価するべきだ」と訴えた。 市教委の方針に反対する広島県内の元教員らが企画した。神田さんは左右に持った扇子と張り扇を打ち鳴らしながら、人物ごとに声色を変え、周囲から「非国民」といじめられても明るく生きるゲンと家族の姿や、原爆投下直後の惨状を表現。約120人が聞き入った。