7月10日投開票が有力視される参院選が近づいてきた。与党の自民党は、今回も憲法改正を公約に掲げる予定だ。先月の憲法記念日に発表された各報道機関の世論調査では、憲法改正を肯定・賛成する意見が複数のメディアで過去最高となった。こうした直近の世論をどう見るべきか。憲法と世論の分析に詳しい東京大学大学院の境家史郎教授(政治学)は、「改憲賛成が増えたのはロシアのウクライナ侵攻の影響」と語った。(ジャーナリスト・森健/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) ──毎年恒例の憲法記念日の世論調査で、主要各社で憲法改正に「賛成」が多くなり、とくに朝日と読売で改憲「賛成」が過去最高を記録しました。この結果をどう見ていますか。 「大前提として、毎年新聞各社が行っている憲法の世論調査は、大ざっぱなことしかわかりません。『憲法を改正した方がよいと思いますか』といった、『何条のどこを変える』という具体性のない