彼等だって自覚しながら「傾向」に無理をして合わせて来ているのだ。「こんなのはちっとも良いとは思わないや。だけどコレが先生たちの好みなのだから仕方がないさ」みたいな感じで。それなのに偉いデザイナーの先生たちときたら、さんざんそんな「無意味な山」を登らせておいて、後になってから急に梯子を外すようなマネを全然平気でするのだ。もう「ふざけるな、この糞ジジイ!その申し訳程度に残った前髪を全部キッチリと毛根から毟るぞ!」みたいな感じです。 ここしばらく装苑賞出身の有名デザイナーというのは出ていません。むしろ装苑賞を取るとデザイナーにはなれないような印象があります。それは、あそこでの評価基準が実際のファッション業界とは、あまりにもかけ離れているからです。 審査員のデザイナー達は装苑賞を「最後の聖域」として守ろうとし過ぎている。その結果「天才殺しの場所」としてしか、あそこは機能しなくなっている。そうやって