「COBOLプログラマーの皆さん、今がチャンスです」。米ニュージャージー州のマーフィー知事が記者会見でそう訴え、同州の求人に応募するようベテラン技術者に呼び掛けた。COBOLは1959年に開発されたプログラミング言語。「絶滅しかけたコンピュータ言語」(New York Times)とさえ呼ばれる。それが今、突如として脚光を浴びるようになった発端は、やはり新型コロナウイルスだった。 ITニュースサイトのOneZeroによると、ニュージャージー州はこれまで40年以上にわたり、COBOLで構築された失業保険金給付システムを使い続けてきた。そこへ新型コロナウイルスの流行が起き、自宅待機命令の影響で失業者が激増。失業保険金の受給申請が殺到し、システムがパンク状態に陥った。ところがこの問題に対応できるエンジニアはいなかった。 COBOLは今も金融機関や政府機関、自治体などのシステムで広く使われ続けてい