小林泰三の集大成ともいえるハードSF。ウルトラマンやゴジラなどの特撮モノはちびっ子に大人気の夢のあるファンタジーですが、実際にあの世界をリアルに再現したら地獄だろっていう話です。怪獣が大暴れしているその瓦礫の下には多くの人命が虫けらのように踏み潰され、血と肉とその他臓物が飛び散っているわけですが、そんなものはテレビの画面には映されません。しかしリアルを追求するならそういうグロ描写も避けて通れないわけで、空前のスプラッタホラーになっています。「ベルセルク」の蝕よりもきついです。 いくらなんでも過剰だと思うのですが、そんな読者のドン引きも気にせず作者はやりたい放題。さすが泰三! 俺達に出来ないことを平然とやってのけるッ! とはいえ不満があるとすればこの点だけで他はもういくら激賞してもし足りないほど素晴らしい。ウルトラマンだけなく、寄生獣、エヴァンゲリオン、JOJO、などの様々なパロディがあり笑