中国で地方当局の不正や格差の拡大に抗議する大規模なデモや暴動が相次いでいる。広東省広州市郊外の増城市では今月10日から3日連続で暴動が発生し、政府機関の建物が破壊された。出稼ぎ労働者などの社会的弱者が不満を爆発させるケースが目立ち、中国指導部は7月1日の中国共産党創建90周年を前に引き締めを強めている。【増城(中国広東省)で隅俊之】 広州市内から車で約1時間。増城市新塘はデニム製品の主要生産地で、零細工場が建ち並ぶ。日系企業の工場もある。働くのは四川省などからの出稼ぎ労働者だ。現場周辺を訪れると、暴動から約1週間が過ぎても、街頭には多数の警官が立ち、当局の街宣車が「多数が集まって国の機関を攻撃するのは違法行為だ」と拡声機で警告を繰り返していた。 暴動のきっかけは新塘のスーパー前で10日夜、営業していた四川省出身の露天商の妊婦が治安要員から暴行を受けたことだった。中国メディアによると、抗議し