神戸製鋼所の品質データ偽装と日産自動車の検査不正が発覚し、日本の製造業が培ってきた品質の信頼に揺らぎが生じている。法令遵守(コンプライアンス)問題と片付けるのは簡単だが、「高い倫理観に基づいた職場風土を求めるだけではこの問題は解決しない」と主張するのが、「技術者塾」において「半年でQCDを確実に高める 製造リーダーの実務と要点」の講座を持つ、ジェムコ日本経営本部長コンサルタントの古谷賢一氏だ。 この問題を解決に導くには、「等身大の現場」を知る必要がある。同氏が生産現場(以下、現場)の不正の実態と解決策を前編と後編の2回に分けて解説する。後編では、不正行為の解決策を提案する。(近岡 裕=日経テクノロジーオンライン) 管理者を含め、組織全体が意図をもって精緻に不正行為(改ざんや捏造)を行っている場合、その発覚は極めて困難だ。実際、不正行為の発覚は、社内(不正を知り得る立場にあった人)からの内部
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