介護事業者が、東京都中野区が所有するビル(地上6階・地下2階、鉄筋コンクリート造)を借りてデイサービスを始めようとしたところ、給水設備の不備でひどい異臭がする水道水が出て、最終的に開業を断念せざるを得なかったとして、中野区を相手取り約1億3000万円の損害賠償を求めて7月27日、東京地裁に提訴した。 ●ひどい悪臭でも、月の賃料200万円 訴状などによると、事業者の「千雅」は、デイサービスなどの開業を目的に2013年4月1日から2018年3月1日までの期間で、中野区が所有するビル1棟を月額200万円で借りる賃貸借契約を中野区と結んだ。 千雅は毎月の賃料支払いに加え、開業に向けて200万円超をかけて避難口や自動火災報知設備などの準備を行った。また契約で認められている範囲で、飲食店などを営む業者にビルの一部を転貸したが、その業者が水道水の異臭で営業を続けられなかったため、得られたはずの転貸料が得