【北京=竹内誠一郎】中国の有力誌・中国新聞週刊(電子版)は25日、新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が拡大している湖北省武漢市で、肺炎の流行が始まった昨年末、市当局が事実の公表を抑えていたことを示唆する医師の証言を伝えた。 武漢協和医院の医師が、同誌の取材に匿名で応じた。「流行が始まったばかりの時期、武漢市の方針は消極的だった」と指摘し、病院側から「許可を得ずに公共の場で感染状況を語ったり、メディアの取材を受けたりしてはならない」と通知されていたと明らかにした。 市が肺炎の流行を初めて公表したのは昨年12月30日だった。この医師はかん口令の期間中は「医師にできたのは患者に繰り返しマスク着用を勧めることだけだった」と振り返った。 市トップらに対してはこれまでも、情報公開や対応の遅れが指摘されていた。湖北省共産党委員会の機関紙・湖北日報の張欧亜(ジャンオウヤー)記者は24日、中国版ツイッター