10月11日の王座戦第4局を勝利し、将棋界の八大タイトル全てを手に入れ、「八冠王」となった藤井聡太。将棋への比類なき集中力の一端を示すエピソードを師匠・杉本昌隆の著書『藤井聡太は、こう考える』(PHP研究所)より抜粋して紹介する。(全3回の2回目/#1、#3へ) 練習中にも発揮する集中力 集中力には、練習の集中力と本番の集中力があります。 本番で藤井は、純粋な視点で能力を発揮して、名人位を獲得したことは序章で述べました。藤井は、練習中にも当然のように集中力を発揮します。棋士にとっての練習とは、仲間との研究会もその一つですが、藤井は携帯電話をまったく見ません。 本番ではなく研究会なので、奨励会員でも棋士でも当たり前のように手元に置いている人は多いです。しかし、藤井は朝、家を出て、お昼休みも携帯はずっとカバンに入れたままです。手元に置いておきません。