<突発的な事件やセンセーショナルな報道によって、社会が悪くなっていると思い込む「ネガティブ本能」が働きやすくなる> 今年5月、川崎市登戸で通り魔事件が発生し2人が犠牲となった。そのうちの1人は登校中の小学校6年生の女子児童だった。 「どんな世の中になってしまったのか」と人々は恐怖におののいている。監視カメラ網を張り巡らせ、登下校の児童にはできる限り大人が付き添うべきだ、という意見も出ている。子を持つ親にすれば、そう言いたくなるかもしれない。 これは1つの事件だが、凶行の犠牲になった子どもの数は統計で分かる。厚労省『人口動態統計』の死因統計に「他殺」というカテゴリーがある。最新の2017年の統計によると、他殺による0~14歳の死亡者数は29人となっている。 「1年間でこんなにも多くの子どもの命が奪われているのか」と憤慨する人もいるかもしれない。だが、70年ほど前の1950(昭和25)年の統計
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