約3億年前に存在した翼幅76センチほどのメガネウラ(想像図)。 Illustration by Walter Myers, Stocktrek Images/Alamy もし鳥類が地球に生まれていなければ、空にはいまも巨大な昆虫が飛び交っていたかもしれない。 現在、昆虫は地球上で最も小さな生き物の一つだ。しかし、約3億年前、巨大昆虫はごくありふれた存在だった。例えば、トンボに似たメガネウラは羽を広げたときの幅が約70センチ。カリフォルニア大学サンタクルーズ校の古生物学者マシュー・クラパム(Matthew Clapham)氏は、「カラスとほとんど変わらない」と説明する。翼幅が最も大きい現生の昆虫はチョウやガだが、30センチ程度しかない。 先史時代の昆虫が異常に成長した原因は、大気に30%以上含まれていた酸素にあるという。現在の21%と比べると、息を吸い込むごとにより多くのエネルギーが得られ、