「もり」と「ざる」と「せいろ」。どれも同じような物ですが何が違うのでしょうか。ちょっと歴史を紐解いて考えてみました。 ■ もり誕生 この3つの中かで最初に登場したのが、「もり」という名称だと考えられています。江戸中期にそばに汁をかける「ぶっかけ」が流行します。そうすると、注文が混乱しないように単に「そば切り」とか「そば」と呼ばれていた従来の汁につけて食べるそばに名前が付けられます。それが「もり」だったのではないか、というのです。 最初の頃の「もり」は平椀という皿のような食器に盛っていたのではないかといわれています。まもなく江戸では「もり」も蒸籠に盛りつけるのが普通になりますが、地方では幕末ころまで皿に盛りつけるが普通だったようです。 ■ ざる と せいろ は そばを盛るうつわ 「ざる」と「せいろ」というのはそばを盛りつける食器のことです。ざるは竹で編んだ笊をそばを盛る食器に転用したもの