2001年入省の官僚の間では、私はちょっとした有名人だった。新人研修のとき、事務次官だろうが誰だろうがズバズバ質問するので、「どうせ篠原が質問するんだから最初からマイク渡しとけ」と言われるほど。当時の新聞で「今年の新人はえらくやる気がある」と評されていたのは、たぶん私のせい。 そんな私を蛇蝎の如く嫌う同期と、面白がる同期とにスパンと分かれた。そりゃまあ、これから出世したいと思う人間は、私と親しいなんて思われたら迷惑だと思ったに違いない。けれど不思議なことに、私に触発されてズバズバ質問するのもいたりして、必ずしも一色ではなかった。 金融庁の課長が私の参加してるグループで懇談。「何兆円ものお金を動かしてる、この国を動かしてるんだという快感」の話、税務署に行ったらいきなり署長で、トップとして君臨する快感とかの話。 で、私に触発された同期が「あなたのポリシーは?」と質問したら、その課長、ドギマギし