――殺人と放火はあまり増えていませんね。あと、暴行事件以外はすべて、2001〜2004年ごろをピークに、減少に向かっているようです。 「被害者の届出によって明るみに出る強姦や暴行や脅迫と違って、殺人と放火は認知件数と実際の発生件数はほぼ等しいと考えられます。逆に言えば、殺人と放火以外の犯罪は、警察の対応の変化によって、認知件数が大きく上下するわけです」 ――ははあ、それまで被害者が泣き寝入りしたり、警察に無視されたりして、闇に葬られていたような事件も統計に加わるようになったんで、2000年以降、見かけ上、犯罪が増えたように見えると……あれ? でも、強盗は1995年から、強姦は1997年から増加しはじめてますよ? それに殺人もこの時期に増えていたのは事実だし。 「そうですね。警察が方針を転換した2000年以降の増加は見かけ上のものでしょうが、それ以前から実際に事件全体が増加していたのか