書評 谷口 柳造著 「目の眼」社刊 本体価格¥2,800- A4判カラー200ページ 谷口氏は本格的な骨董商であり、骨董全般に博学であるが、長いこと 名和 弓雄先生のもと捕縛術を研究してきた方である。 十手、捕物道具の収集家として高名で、この本の執筆にはおよそ 30年間を掛けたと巷では言われており、現在第二作を執筆中である。 日本の捕縛(逮捕術)には世界にない一つの大きな特徴がある。 それは容疑者、被疑者を殺さずに逮捕する概念で、これは現在にも 生きていると思われる。 例えば米国では拳銃を出せば、警官は直ぐに自分の拳銃を発射する。 多くの場合は拳銃、もしくはらしきモノを出してだけで射殺される 確立は高い。日本警察の方針は「成るべく殺さず対処して、取り調べ、 裁判に掛ける」である。 この伝統は日本の捕物用具は工夫されており、更にその種のものは さす又など今でも使われている事実でも生きている。