ジャニー喜多川氏の性加害問題を見過ごしてきたメディアに批判が向けられています。問題を調査した外部専門家らは「マスメディアの沈黙」が被害拡大の一因となったと指摘しました。東京新聞がこの問題にどう向き合ってきたのか振り返ります。(編集局次長 飯田孝幸)
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専門職の人の労働時間規制を外す高度プロフェッショナル制度が、導入を主導した安倍晋三元首相らの当時の説明と懸け離れた運用になっている。経験が浅く希望もしていない人が高プロを適用された疑念が直近の調査で浮上。当時も今も所管の厚生労働相を務める加藤勝信氏は、当初の説明通りになっていない実態を指摘されても正面から答えず、制度を見直さない姿勢を示した。(池尾伸一、写真も) 高度プロフェッショナル制度 証券トレーダー、コンサルタントなど5業種の年収1075万円以上の社員を対象に労働時間の上限規制を外す制度。安倍晋三政権が政治主導で立案、過労死遺族や労働組合は「過労死を増やす」と反対したが2019年4月に導入された。今年3月末時点で21社22職場で665人に適用。2カ所の職場で在社時間と社外の労働時間の合計が月間400時間以上に達し、「過労死ライン」(残業含む労働時間月約273時間)を大幅に上回
島津製作所(京都市)が製造した医療用エックス線装置を巡り、保守と販売を担う子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換していたことが本紙の取材で分かった。病院は交換修理費として200万円超を支払った。島津製作所は社内調査していることを認め、自社のホームページに「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」とのコメントを出した。 両社の関係者は25日、この病院を訪れて謝罪し、概要を説明した。営業所を所管する熊本県は、メディカル社などから聞き取りをする考えを示した。病院を運営する自治体は、代金の返還を求めることも視野に検討するとした。 部品を交換していた装置は、エックス線で体内を撮影しながら映像を見られる「エックス線テレビシステム」で、この病院には2009年に設置された。関係者に
安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会で、サントリーホールディングスが2017〜19年、計400本近い酒類を無償で提供していたことが分かった。政治資金規正法は企業の政治家個人への寄付を禁じており、「違法な企業献金に当たる可能性がある」との指摘が出ている。 本紙に開示された配川(はいかわ)博之元公設第一秘書=同法違反罪で略式命令=の刑事確定記録で、会場のホテル側が作成した資料に「持ち込み」として酒類の記載があり、同社の電話番号も書かれていた。同社広報担当者は無償提供を認めた上で「安倍議員事務所から多くの方が集まると聞き、製品を知ってもらう機会と考え、夕食会に協賛した」と説明。17〜19年だけでなく16年を加えた4年間に毎年約15万円分を提供したという。 夕食会は毎年参加者から1人5000円を徴収し、不足分を安倍氏側が補填(てん)していた。酒を持ち込んだ理由について、東
みずほフィナンシャルグループ(FG)の木原正裕社長(56)は本紙のインタビューで、顧客に影響の大きいシステム障害が今後発生した場合には、障害を把握してから「1時間以内に連絡が来る。部長レベルの会議もやる」と述べた。昨年2月の障害発生時に前社長らの把握が遅れたことについては、「僕にはメールも来るし重要なものは電話も来る」として、現在は改善したと説明した。(皆川剛)
東京都の小池百合子知事は19日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が東京パラリンピックで、児童や生徒に観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」を行うことに慎重な姿勢を見せていることについて、都庁で報道陣の取材に応じた。小池氏は「尾身会長からは、オリンピックの際も、同様のご指摘もいただいていたかと思いますが、安全、安心な大会としてやり切った」と述べ、尾身氏の指摘は当たらないとの考えを示した。 東京ではこの日も新たに過去2番目となる5534人の新型コロナウイルスの感染者が確認され、感染の高止まりが続いている。尾身氏は19日の参院内閣委員会閉会中審査で、東京パラリンピックでの「学校連携観戦プログラム」の実施について「(五輪開催時と比べ)今の感染状況はかなり悪い。そういう中で考えていただければ、当然の結論になると思う」と述べ、慎重な考えを示した。 これに対し、小池氏は「尾身会
4日投開票の都議選で、地域政党「都民ファーストの会」から出馬して再選した木下富美子氏(54)=板橋区選挙区=が、免許停止期間中に人身事故を起こした問題で、都議会局や都選挙管理委員会には「辞職するべきだ」「給与が出るのはけしからん」など430件以上の抗議が寄せられている。木下氏は都民ファを除名されたものの、無所属の1人会派「SDGs 東京」を立ち上げて、議員を続ける意向を見せているが、今後、どんなケースなら議員を辞めることになるのか。 木下氏は選挙期間中の2日午前7時半ごろ、板橋区高島平3丁目の交差点で、車をバックした際、停車中の乗用車にぶつかり、運転席の50代男性と同乗の女性が軽いけがをしたとされる。警視庁が自動車運転処罰法違反(過失傷害)や道交法違反(無免許運転)の疑いで捜査している。 木下氏には6日午後時点で都議会局に電話やメールで150件以上の抗議が寄せられていたが、その後も抗議はや
甘粛省の官製メディアは十五日、看護師の女性十四人が湖北省への派遣に先立ち、一斉に頭をバリカンで刈られる様子を報じた。一部の看護師が泣いており、甘粛省当局が強制したのではとの批判が起きた。 甘粛省当局は防護服を着る際に髪が邪魔になったり、ウイルスの付着を避けるために刈ったとして、「感染予防のための自発的な行為だ」と説明した。しかし武漢市で女性の権利擁護に取り組む団体の関係者は本紙の電話取材に「(武漢の)医療従事者の男性はみんな(丸刈りではなく)短髪だ。女性の身体は自分のもののはずなのに、宣伝に利用されている」と話した。
厚生労働省が省内の全部局に、根本匠厚労相の指示として「非正規」や「非正規労働者」という表現を国会答弁などで使わないよう求める趣旨の文書やメールを通知し、本紙が情報公開請求した後に撤回したことが分かった。同省担当者は撤回の理由を「不正確な内容が散見された」と説明。根本氏の関与はなかったとしている。 (中根政人) 厚労省雇用環境・均等局によると、文書は「『非正規雇用労働者』の呼称について(周知)」という件名で四月十五~十六日に省内に通知。当面の国会答弁などの対応では、原則として「有期雇用労働者」「派遣労働者」などの呼称を用いるとした。「非正規雇用労働者」の呼称も認めるが、「非正規」のみや「非正規労働者」という表現は「用いないよう留意すること」と注意を促している。 各部局に送信したメールには、同じ文書を添付した上で「『非正規雇用』のネーミングについては、(中略)ネガティブなイメージがあるとの大臣
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