反「遺伝子組換え」団体が作りだす意図的誤解の罪 除草剤ラウンドアップはなぜ抹殺されようとしているのか? 【前編】 唐木英明 東京大学名誉教授、公益財団法人「食の安全・安心財団」理事長 除草剤ラウンドアップに発がん性があるという誤解がヨーロッパを中心に広がっている。国民の不安にこたえてEU各国は規制強化に動き始めた。米国カリフォルニアではラウンドアップが原因でがんになったとする訴えが勝訴になり、約330億円という驚愕の賠償を命じられるというセンセーショナルな事態にもなっている。 だがこれは、遺伝子組換え(GM)に反対する団体が戦略的に作り出した意図的な誤解の産物である。ラウンドアップに発がん性があるような非科学的論文を作り、それを使って恐怖をあおる映画や書籍を作り、反GM運動を盛り上げることに成功した。決定的な出来事は、国際機関が行ったラウンドアップは「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と