ニャンとまぁな1日 - トラック運転手ともさんの日常
「ともさん、俺捕まったわ」 「はぁ？どこで？」 「吹田の下穂積の交差点で右折禁止で捕まった」 「ありゃま」 「ちゃうねん前の車が行ったから、ふ〜っと付いていってん。知っててんここ右折禁止って」 「いや、知っとったら行ったらあかんやん」 「ぼーっとしとったんやろな」 同僚のTくまさんが右折禁止で捕まったのだ。この男、要領がええのに捕まるのは珍しい。 まぁTくまさんは、普段から自分最優先の人間で、周りから嫌われてて、とくに後輩からはボロクソに言われている。 僕は先輩なので、僕の前では 【猫をかぶる】ような奴なんで バチが当たったのかも。 にしても明日は我が身。 気をつけなければ。 帰社後。 運行管理者のGさんが 「インキーしてしまいました」 「えっ？インキー？」 Gさん、トラックの鍵を運転席のシートの上に置いてドアを閉めたらしいです。 すると1分後「ガチャ」と、ロックがかかったというのです。
つぐなえよー！ - トラック運転手ともさんの日常
「お疲れ様です。○○工業積み込み終わりました。今から松山の方に向かいます」 「お疲れ様です。気をつけて行ってください」 「その後の仕事はどんな感じ？」 「それがともさん…」 「ん？」 「全然ないんです」 「やっぱり…笑 いつまで予定わかってんの？」 「12日まで聞いてます。12日はゼロ」 「えっ、ゼロ」 「はい、んで水曜日が1台、木曜日も1台で、ともさんには、まわせなくて、他の運転手に行ってもらいます」 「まぁ、そやな、ほなおれ、今週この長距離1発だけになるかもやな笑」 「はい、13日の土曜日があるかもですが」 「まぁでも、長距離1発でも、5日分の運賃になるもんな」 「はい、ともさんは1発でも十分です」 「てか、会社がやばいやろー」 「はい、もうあかんすね」 「傾いてるよな」 「もうタイタニック状態ですね。いやタイタニックほど大きくないです」 「いかだやで笑」 「傾いたら早いです笑」 「
うどんと愛で心も体もアツアツ - トラック運転手ともさんの日常
「うわ、停めるとこないやん💦」 5月4日、11時30分。UDON山もりさんの駐車場は満車だった。しかも次から次へと車が入ってくる。 とんでもなく人気店である。 「トントントン」 助手席の窓を叩く音がした。 見ると、そこには小柄で華奢な女性が立っていた。 助手席の窓を下ろすと、 「こんにちは、私だれかわかる？」 「こんにちは、いやわからないです」 「さくらちゃん」 「あ〜さくらちゃん」 Twitterのフォロワーさんだった。 僕はTwitterで顔出し動画をバンバン上げてるから気づかれるやろうけど、 僕からは相手が誰か全くわからないのだ。 「わたしもう帰るとこやし車入れ替えしてあげる」 「あ、そうなんですか、じゃあこれどうぞ」 僕は昨日、朝から満月本店で並んで買った京都の名物【阿闍梨餅】を差し出した。 「あ、ちょっと待って」 と、さくらちゃんさんは車に戻った。 そして、車からごっつい紙袋を
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