西暦2000年の現在、最も進んだアニメーションを作っているのは、彼なのではないだろうか。劇場『デジモンアドベンチャー』第1作、第2作を観ると、そう思える。彼の作品は技術的にも優れており、クオリティも高い。だがそれだけではない。ドラマやテーマを、あるいは作り込みや画面の緻密さもすらも、映画の要素として割り切り、使い切っているクールな感覚が、素晴らしいのだ。その感覚こそが、彼の作品が現代的である理由なのだろう。 取材/小黒祐一郎 構成/小川びい・小黒祐一郎 2000年7月2日 小黒 先に自分の感想から話していいかな。細田さんの『ぼくらのウォーゲーム!』は大変に面白かった。ここ数年のアニメの中で、一番面白かったと言っていいと思う。話も面白いし、技術的にも興味深かった。 細田 ありがとうございます。 小黒 お話、レイアウト、動き、カッティングと、全ての点においてレベルが高いんだけど、何より感心した