【2020年度確報における家計貯蓄率の動向】 昨年の12月24日に内閣府の経済社会総合研究所は、国民経済計算の2020年度確報を公表しました。そこには、様々な興味深いデータが含まれていますが、その中でも注目していた一つが、家計貯蓄率です。 家計貯蓄率は、1970年代以降、長期にわたって低下傾向を示してきていました。しかし、それが近年、反転の動きを示していました。2020年度はどのような動きを示すのか、反転傾向に変化はないのか、ということに関心がありました。 公表された家計貯蓄率を図にしたのが第1図です。これを見ると、それまで低下傾向を示していたのが、2013年度、2014年度とマイナスとなった後、上昇傾向に転じていることが分かります。しかも、2020年度は、前年度の3.7%から13.1%への急上昇となっています。 【2020年度における急上昇の理由】 このうち、2020年度における9パーセ