「もっと怒っても良かったのかも」。オーストリア在住の翻訳家、宮崎直美さん(39)は、子どもの性被害などを題材にしたドイツ語の絵本に触れるうちに、日本で遭った痴漢やセクハラの被害に対して、長年押し殺していた怒りを思い出した。「自分よりもっと幼い子どもの身に起きたとしたら……」。突き動かされるように訳したのが、男の子の性被害というデリケートな問題を題材にした絵本だ。 キツネくんの「ひみつ」 原著はドイツの映画監督でもあるカロリーヌ・リンクさんの絵本で、日本語版のタイトルは「キツネくんのひみつ ゆうきをだして はなそう」(誠信書房、1980円)。「幼い子どもがもし性被害に遭ったとしたら?」。そんな困難な状況に戸惑う子ども、そして親に、どうすればいいのか優しく指南する内容だ。 キツネくんは、隣に住む大好きなオオカミのおじさんと一緒にツリーハウスを作るのを楽しみにしていた。ところがある日、2人で作業
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