中国人の欲望が集う「闇の都」「やべえ! 邪悪だ! これは邪悪だ!」 思わず叫んだ。2025年2月25日、ラオス北部のボケオ付近にある金三角特区(ゴールデントライアングル特区)での話である。時刻は夜。街の中央に位置する中国資本の超豪華カジノホテル・金木綿酒店が、私の目の前で紫色のぶきみな光を放っていた。 駐車場にはマンガでしか出てこないようなリムジンと、スーパーカー風の高級電動バギーがずらりと並んでいる。ホテルの前には、営業中の広大なナイトプールが広がり、どこかの金持ち中国人女性が優雅に水面をたゆたっていた。 「これでも最近は景気が悪いんだ。中国政府が中国盤(中国国内がターゲットの詐欺)を禁止したし、いまはミャンマー東部の拠点がガサ入れ食らってるだろ? カジノでカネを使う客が減っていてな」 私を案内してくれている「悪い人」がそう話す。彼は東南アジアに国境をこえて広がる中国人の暗黒社会(中華暗