車載LiDAR(レーザーレーダー)の技術的進化には目を見張るものがある。量産車への採用も進んでいる。しかし、その競争は激しい。2021年2月の日経クロステックの記事「自動運転向けLiDAR開発に100社殺到、抜け出すのは一握りの企業」 記事へのリンク で、LiDARに100社近くが参入していること、そしていずれ淘汰の時代が来ることを述べた。実際、2022年に入って有力メーカーの撤退や倒産が目立ち始めた。 パイオニアがLiDARから撤退 2022年2月、パイオニアは「投資回収に時間がかかりすぎる」との理由で車載LiDAR開発から撤退した。同社は電磁式MEMSミラーを用いたLiDARを開発したが(図1)、量産車への採用には至らなかった。この撤退によって、一旦、同社からMEMSの研究・開発に従事する技術者の居場所はなくなってしまったと思われる。パイオニアはMEMSの研究開発を行っていた甲府市の事