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ブックマーク / nikubeta.hatenablog.com (76)

  • 14世紀の危機を語る時にモンゴル史家が語ること 諫早「『14世紀の危機』の語り方」 - オシテオサレテ

    思想 2024年4月号 岩波書店 Amazon 諫早庸一「『14世紀の危機』の語り方:ヨーロッパ到来以前の黒死病」『思想』2024年4月、no. 1200、9–32ページ。 『思想』の特集「危機の世紀」から、14世紀の危機について論じた論考を読む。 非常に多くの情報を提供する論考である。しかし、その骨子は次のように要約できる。「13世紀世界システム」の崩壊は、黒死病によってもたらされたとは考えられない。なぜなら、システムは黒死病が現れたときにはすでに崩壊していたから。システムの崩壊の主要因はむしろモンゴル帝国の解体である。まず気候変動により、帝国の拡大は13世紀末に止まる。その後、帝国を構成する各ウルスの王位継承制度の不全のためウルスは解体し、変動後の気候に適した小政体が数多く成立していった。 ここから私としては、次のような点に論考のポイントがあると判断した。論考の冒頭では14世紀の危機の

    14世紀の危機を語る時にモンゴル史家が語ること 諫早「『14世紀の危機』の語り方」 - オシテオサレテ
    Geheimagent
    Geheimagent 2024/03/27
    勉強になる
  • 偽りから生まれる学問 Grafton, Forgers and Critics, ch. 1 - オシテオサレテ

    Forgers and Critics: Creativity and Duplicity in Western Scholarship 作者: Anthony Grafton出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 1990/03/07メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (1件) を見る Anthony Grafton, Forgers and Critics: Creativity and Duplicity in Western Scholarship (Princeton, NJ: Princeton University Press, 1990), 3–35. 西洋文化における文書偽造の伝統を扱う基書である。著者は文書偽造を断罪しない。むしろその反対のテーゼを提出してみせる。人を欺こうとする偽造者の努力と、偽造を暴こうとする者の努力が合わせ鏡のよ

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    Geheimagent 2019/05/13
    タイムリー。
  • 中世普遍文法学の舞台裏 関沢「12世紀における文法(学)の普遍性」 - オシテオサレテ

    関沢和泉「12世紀における文法(学)の普遍性 ファーラービーからグンディサリヌスへ」『中世哲学研究:Veritas』27、2008年、39–60ページ。 http://www.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Fksmp.net%2Fveritas%2Fvol27%2F39-60_sekizawa.pdf&h=_AQHIxM4s[無料でダウンロード可能] 西洋中世学会若手セミナーでの関沢和泉さんの発表に衝撃を受けたので、関沢さんによる論考を遅ればせながら読む。チョムスキー、エーコにも通じる射程の広さが、中世ラテン語著作の読解にもとづく精密な差異の識別と両立させられている。 ダンテ『俗語詩論』の研究のなかでマリア・コルティは、ダンテが提唱する普遍文法の観念は、彼が当時のスコラ学の様態論学派から学んだものだと主張した。これにたいして普遍文法の観念は、様態論者に限

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  • 初期アヴェロエスの知性論 Taylor, Long commentary on the De Anima of Aristotle, #1 - オシテオサレテ

    Long Commentary on the De Anima of Aristotle (Yale Library of Medieval Philosophy Series) 作者: Averroes,Richard C. Taylor出版社/メーカー: Yale University Press発売日: 2009/10/20メディア: ハードカバー クリック: 9回この商品を含むブログ (3件) を見る Richard C. Taylor, "Introduction," in Long commentary on the De Anima of Aristotle, trans. Richard C. Taylor with Thérèse-Anne Druart (New Haven: Yale University Press, 2009), xv-cix, here xv-x

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    Geheimagent 2015/07/08
    これ英語で読んだけど、全然忘れてたのでありがたいまとめだ。
  • 15世紀の哲学 ド・リベラ『中世哲学史』第10章 - オシテオサレテ

    中世哲学史 作者: アランド・リベラ,Alain de Libera,阿部一智,永野拓也,永野潤出版社/メーカー: 新評論発売日: 1999/09メディア: 単行 クリック: 9回この商品を含むブログ (10件) を見る アラン・ド・リベラ『中世哲学史』阿部一智、永野潤、永野拓也訳、新評論、1999年、576-591ページ。 15世紀を扱う10章は、書の体部分の最終章となっている。「混迷と抗争の時代」(576ページ)であった15世紀は、思想のうえでも多様性をしめした。人文主義が出現し、中央ヨーロッパに哲学が浸透した。旧い道と新しい道との対立が起こり、アルベルトゥス主義、トマス主義、ビュリダン主義が現れることでスコラ哲学の伝統は強化された。同時にこの時代は教会政治は混乱をきわめ、そのなかで宗教会議が大きな役割をはたした。会議には多くの神学者が関わっていたのであり、その重要性は哲学史のう

    15世紀の哲学 ド・リベラ『中世哲学史』第10章 - オシテオサレテ
  • アヴェロエスにおける神学者批判と宗教の効用 ド・リベラ『中世哲学史』 - オシテオサレテ

    中世哲学史 作者: アランド・リベラ,Alain de Libera,阿部一智,永野拓也,永野潤出版社/メーカー: 新評論発売日: 1999/09メディア: 単行 クリック: 9回この商品を含むブログ (10件) を見る アラン・ド・リベラ『中世哲学史』阿部一智、永野潤、永野拓也訳、新評論、1999年、210-218ページ。 アヴェロエスは、宗教、神学、哲学の関係について論じるにあたり、人間は『クルアーン』読解のレベルによって三つの階層に分けられるという前提から出発した。最下層は解釈ができない人々からなる。彼らは『クルアーン』の字義通りの意味しかわからない。最上層は確実な前提から三段論法を行うという論証的なやり方で『クルアーン』を解釈していける人々である。これは哲学者となる。これら二つの階層の真ん中に、三段論法は用いるものの確実な前提からではなく、蓋然的な前提から出発する者たちがいる。彼

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  • アヴェロエス衰亡史 Stone, "Why Europeans Stopped Reading Averroës" - オシテオサレテ

    Harold Stone, "Why Europeans Stopped Reading Averroës: The Case of Pierre Bayle," Alif: Journal of Comparative Poetics 16 (1996): 77–95. http://www.jstor.org/stable/521831 アヴェロエスは中世からルネサンスにかけて毀誉褒貶はありながらも、広く読まれ続けていた。しかし17世紀後半から急速に読まれなくなる。どうしてか?この問題を検証する論文である。まずアヴェロエスが注釈をほどこしていたアリストテレスの権威が、17世紀にはいると急激に低下した。権威を剥奪されたアリストテレスへの注釈者をどうして読む必要があるだろうか。アリストテレスをなお学ぶ人々にとっても、アヴェロエスを置きかえる有力な対抗馬が出現していた。イエズス会が作成した注

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    Geheimagent 2014/11/28
    カソボンってアリストテレス全集も手掛けてたのか
  • アヴィセンナ、イスラム神学、アヴェロエスの戦略 Bertolacci, "Averroes against Avicenna" - オシテオサレテ

    Renaissance Averroism and Its Aftermath: Arabic Philosophy in Early Modern Europe (International Archives of the History of Ideas Archives internationales d'histoire des idées) 作者: Anna Akasoy,Guido Giglioni出版社/メーカー: Springer発売日: 2012/12/13メディア: ハードカバー クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る Amos Bertolacci, "Averroes against Avicenna on Human Spontaneous Generation: The Starting-Point of a Lasting Debate," R

    アヴィセンナ、イスラム神学、アヴェロエスの戦略 Bertolacci, "Averroes against Avicenna" - オシテオサレテ
    Geheimagent
    Geheimagent 2014/11/17
    面白そうだが、この本高すぎて死ぬ
  • イエズス会によるアクィナスの支持とアヴェロエスの排除 Martin, Subverting Aristotle, ch. 5 - オシテオサレテ

    Subverting Aristotle: Religion, History, and Philosophy in Early Modern Science 作者: Craig Martin出版社/メーカー: Johns Hopkins Univ Pr発売日: 2014/03/13メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (3件) を見る Craig Martin, Subverting Aristotle: Religion, History, and Philosophy in Early Modern Science (Baltimore: Johns Hopkins University Press, 2014), 86-92. ルネサンスアリストテレス主義の最新の概説書から、イエズス会士を扱った節を読んだ。ここもまたアヴェロエスを軸に論じている。 イタリアの自然哲学者がアヴ

    イエズス会によるアクィナスの支持とアヴェロエスの排除 Martin, Subverting Aristotle, ch. 5 - オシテオサレテ
  • 天の高貴と地の卑俗 ヒライ「ルネサンスの星辰医学」 - オシテオサレテ

    ヒロ・ヒライ「ルネサンスの星辰医学 占星術の変容から普遍医薬の探究へ」『学習院女子大学紀要』第16号、2014年、23–41ページ。 https://www.academia.edu/6316894/Astral_Medicine ルネサンス期における医学理論と実践のうちで、天界にいかなる意義と役割とが与えられていたかを概観した論考である。医学が考察の対象とするのは人体であり、人体はこの地上にある様々な事物のうちの一つなので、医学における天体の影響を考察するものは自ずと、この世界において天と地がいかなる関係に立つかというスケールの大きな考察に導かれた。この領域を探求している研究者はきわめて少なく、論でまとめられている内容が、実質的にいま人類が手にしている知見の先端である。 著者によれば、ルネサンス期における天界の理解は、二人の著名な哲学者によって対照的な規定のされ方をしていた。一人はピコ

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    Geheimagent 2014/04/06
    草稿チェックしてたけど、最終稿読む余裕がないでいる……
  • メランヒトンにおける摂理と天文学・占星術 Kusukawa, Transformation of Natural Philosophy, ch. 4, #1 - オシテオサレテ

    The Transformation of Natural Phil (Ideas in Context) 作者: Kusukawa出版社/メーカー: Cambridge University Press発売日: 2008/01/12メディア: ペーパーバック クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る Sachiko Kusukawa, The Transformation of Natural Philosophy: The Case of Philip Melanchthon (Cambridge: Cambridge University Press, 1995), 124–34. 摂理の観念のもとにメランヒトンが自然哲学を組みかえていく模様を扱う第4章の冒頭部を読みました。1530年以降、ルターとメランヒトンは世界の終末が迫っているという意識を持つようになりました。そ

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    Geheimagent 2013/12/10
    1531年の彗星はハレー彗星なんだろうか
  • アルベルトゥス・マグヌス - オシテオサレテ

    アルベルトゥス・マグヌスの研究をしている人の発表を聞きました。テーマは『精気と呼吸について』というアルベルトゥスの論考です。 アルベルトゥス・マグヌス(1200頃‐1280)というのは、トマス・アクィナスという人の師匠にあたる人で、自然哲学について多くの論考を残したことで有名です。 それで、この弟子のトマス・アクィナスという人の方がはるかに有名で、この人は「スコラ学の大成者」として紹介されることが多いです(その紹介が現在の研究から見て正当なのかどうかは知りません)。 要するにアルベルトゥス・マグヌスという人は中世スコラ学者なのです。 そんなアルベルトゥスの『精気と呼吸について』に関する発表でしたが、論文でやりたいことは以下の三つとのこと(あくまで僕なりのようやくです)。 自然と技術を類比的に考えるという思考のパターンが、アルベルトゥスの他の著作で認められる。同じ類比の思想がこの『呼吸と精気

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    Geheimagent 2013/03/22
    これアダムさんへの言及か?
  • 知の世俗化 宮下「図書館・書斎、そして印刷術」 - オシテオサレテ

    哲学の歴史〈第4巻〉ルネサンス 15‐16世紀 作者: 伊藤博明出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/05/01メディア: 単行 クリック: 11回この商品を含むブログ (14件) を見る 宮下志朗「図書館・書斎、そして印刷術」伊藤博明編『哲学の歴史4:ルネサンス』中央公論新社、2007年、338–354ページ。 なんともすばらしい小文です。中世からルネサンスにかけて知識の担い手が聖職者から俗人へと拡大していきます。それにともない大学ができ、そこでは少数のテキストを繰りかえし読んで叡智を得るという修道院スタイルから離れ、おおくのから引きだされた多くの情報をもとに論拠にもとづく議論をいかに戦わせるかが重視されるようになります。これらの動向から飛ばし読みが可能な黙読、情報をすばやく見つけるための工夫(段落、小見出し、索引)、口承韻文の散文化、ローマン体の発明、活版印刷術がつぎ

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  • アヴィセンナの知性論, McGinnis, Avicenna, ch. 5 - オシテオサレテ

    Avicenna (Great Medieval Thinkers) 作者: Jon McGinnis出版社/メーカー: Oxford University Press発売日: 2010/06/17メディア: ペーパーバック クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る Jon McGinnis, Avicenna (Oxford: Oxford University Press, 2010), 117–48. アヴィセンナ哲学の基書から、知性論を扱った部分を読みました。アヴィセンナは人間霊魂の能力のうちの知性を、さらに2つに区分しています。実践知性と理論知性です。このうち理論知性が人間の知性認識を可能にし、それによって人間を他の動物から区別します。知性認識とはあらゆる質料から切り離された抽象的なアイディア(forma intelligibilis 可知的形相)を知性が受け入れ

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    Geheimagent 2012/12/25
    認識が光学理論のアナロジーで説明されるのが面白い箇所。この後の形而上学がさらに難易度高いです!
  • 図像から見る占星術の伝統 ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』 - オシテオサレテ

    ヴァールブルク著作集 別巻 1 ムネモシュネ・アトラス 作者: アビ・ヴァールブルク,伊藤博明,田中純,加藤哲弘出版社/メーカー: ありな書房発売日: 2012/03/01メディア: 単行 クリック: 15回この商品を含むブログ (2件) を見る アビ・ヴァールブルク、伊藤博明、加藤哲弘、田中純『ムネモシュネ・アトラス』ありな書房、2012年。 ドイツの美術史家・文化史家のアビ・ヴァールブルクは、彼自信が「アトラス」と呼んだ図像パネル集の制作を、遅くとも1926年には開始していました。このパネル集は、様々な造形作品を白黒写真で撮影し縮小して、それらを黒色の布地の上に(ヴァールブルク独自の構想に基づいて)分類配列したものです。現在元のアトラス自体は失われているものの、時系列順に3つの段階のアトラスを白黒写真に収めたものが残っています。著作はこの最終版をもとにつくられています。 ヴァールブ

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    Geheimagent 2012/12/19
    22日はホントにすごいシンポジウム。いけないけども
  • ピレンヌテーゼの片翼 ブラウン「「中心と周縁」再考」 - オシテオサレテ

    古代から中世へ (YAMAKAWA LECTURES) 作者: ピーターブラウン,後藤篤子,Peter Brown出版社/メーカー: 山川出版社発売日: 2006/05メディア: 単行 クリック: 14回この商品を含むブログ (7件) を見る ピーター・ブラウン『古代から中世へ』後藤篤子編訳、山川出版社、2006年、71–94ページ。 ブラウンの講演集から「「中心と周縁」再考 ポスト帝国期西ヨーロッパにおける文化伝播モデル」と題された章を読みました。ピレンヌの『マホメットとシャルルマーニュ』は、地中海を結節点に諸都市間で行われる交易と、キリスト教を中心とする文化というローマの遺産が、西ローマが滅びてもなお存続したというテーゼを打ち出しました。この存続が途切れるのは、イスラム帝国による地中海の征服が東方との地中海交易を衰退させた7世紀後半です。このとらえ方は、地中海という中心がその周縁をま

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    Geheimagent 2012/12/04
    面白い!
  • アヴィセンナの発生論の基本構図 - オシテオサレテ

    アヴィセンナの発生論、とりわけ人間の発生について、『医学典範』と『治癒』「動物論」の記述から基的な構図を抽出すると以下のようになると思われます。 形成力(virtus informativa) 父から(精液の中にある) 受胎後6日、ないしは7日後に消滅 心臓を形成(少なくとも『治癒』によれば) 栄養摂取霊魂 父から(精液の中にある) 受胎後精液が固まると、その精液は霊魂を有するようになる。この霊魂は栄養摂取霊魂 諸器官を完成させるために動く 気質(complexio)が一定の状態に達すると、子供に固有の栄養摂取霊魂に取ってかわられる 感覚的霊魂と理性的霊魂 心臓と脳が判別可能になると、それらに結合される 最初に感覚的霊魂が結合し、続いて理性的霊魂が結合するということはない(もしそうだとすると、動物から人間へ種が変化したことになるから) これらを与えるのは形相付与者(だと思われる) 天の熱

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    Geheimagent 2012/11/26
    アヴィセンナの視覚論調べてたらクニさんにぶち当たる。脳の局在論みたいなこと言ってる気がするんだけど
  • 歴史をもたない科学 パイエンソン「科学と帝国主義」 - オシテオサレテ

    ルイス・パイエンソン「科学と帝国主義」佐々木力訳『思想』No. 779, 1989年5月、9–28ページ。 http://ci.nii.ac.jp/naid/40001546539 科学と帝国主義という主題は、日の雑誌でも特集が組まれるくらい多大な関心をひいてきました。この視角についての基文献であるパイエンソンの論文を読みました。精密科学の諸理論が非西洋圏で熱心に学び吸収されるのは、それを会得していることが文明化のあかしとみなされていたからです。この意味で精密科学の伝播は文化帝国主義の一側面を構成します。植民地では科学研究の施設が建設され、そこに国から科学者が送り込まれます。植民地において科学がどう利用されたかをみるためには、この(科学という)文化を喧伝するために送り込まれた科学者たちの活動に焦点を当てる必要があります。たとえばフランス領西アフリカにフランスから送り込まれたエドュ

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    Geheimagent 2012/11/22
    オシテオサレテ読んでリハビリ
  • 安定した中国、不安定な西洋 ニーダム「中国科学の世界への影響」 - オシテオサレテ

    文明の滴定―科学技術中国の社会 (叢書・ウニベルシタス) 作者: ジョゼフ・ニーダム,橋敬造出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 1974/01メディア: 単行 クリック: 8回この商品を含むブログを見る ジョゼフ・ニーダム「中国科学の世界への影響」『文明の滴定 科学技術中国の社会』橋敬造訳、法政大学出版局、1974年、55–130ページ。 中国の科学技術史を研究する著名な歴史家が書いた論考を読みました。中国の先進性が提起するいくつかのパラドックスが考察されています。中国文明が産み出した科学技術上の成果を考察するときに、第一に思い浮かぶのは西洋に先んじて考案され、それが西洋に伝わることで巨大な社会変革を引き起こした一連の技術です。たとえば馬具、鋼鉄技術、火薬、機械式時計の発明です。しかし同時に西洋に伝わらなかったか、伝わったかどうかが確かでないような成果も考察の対象に含めね

    安定した中国、不安定な西洋 ニーダム「中国科学の世界への影響」 - オシテオサレテ
    Geheimagent
    Geheimagent 2012/10/30
    不安定な西洋の方が技術による社会変革が生まれやすかった、という話。ジャレド・ダイアモンドとは逆の説明な気がする。
  • 空想のアレクサンドロスと近代の人間 ヴァールブルク「中世の表象世界における飛行船と潜水艇」 - オシテオサレテ

    ルネサンスの祝祭的生における古代と近代 (ヴァールブルク著作集4) 作者: アビヴァールブルク,Aby Warburg,伊藤博明,加藤哲弘,岡田温司出版社/メーカー: ありな書房発売日: 2006/01メディア: 単行 クリック: 4回この商品を含むブログ (5件) を見る アビ・ヴァールブルク「中世の表象世界における飛行船と潜水艇」加藤哲弘、伊藤博明訳『ヴァールブルク著作集4 ルネサンスの祝祭的生における古代と近代』ありな書房、2006年、25–47ページ。 ヴァールブルクが1913年に発表した論文を読みました。おそらくは1450年から60年のあいだにつくられたフランドル産の巨大なタピスリーがローマに保存されています。そこに描かれているのはアレクサンドロス大王の生涯です。この描写の特徴は、それが飛行船で空を登り、潜水艇で海に潜る大王を含む点にあります。飛行船というのは人が入れる大きさの

    空想のアレクサンドロスと近代の人間 ヴァールブルク「中世の表象世界における飛行船と潜水艇」 - オシテオサレテ
    Geheimagent
    Geheimagent 2012/10/23
    良い話