トランプへの投票の合理性 グローバリゼーションは、そもそも米国に先導され、管理され、当然米国に利益をもたらしていると思われていたのだが、その発展の果てに、ほかでもない米国の住民たちのただ中にまで、過剰な経済的不平等と社会的不安定を発生させた。かくして、バーニー・サンダースやドナルド・トランプの保護主義を選好する方向への逆転が起こるための必要かつ充分な条件が満たされたのだった。 成功したトランプの擡頭のみならず、阻止されたバーニー・サンダースのそれをもよく理解するために、われわれはまず、アメリカが国外に対して相対的に閉鎖的だった1930年代初頭から、貿易と移民に最大限に門戸を開いている昨今の状況まで、どのような歴史的プロセスを辿ってきたのかを瞥見しておかなければならない。 南北戦争の終結から1929年の危機まで、米国の経済的離陸は、高い関税障壁に護られた中で実現したのだった。1930年代初頭