ブックマーク / cruel.hatenablog.com (11)

  • ポランニー/イモータン・ジョー/コルナイ:不足の経済と社会権力 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary ポランニー『ダホメ王国と奴隷貿易』は、ダホメでは経済が社会に埋め込まれており、各種交換は社会関係の一環として行われる儀礼でしかない、権力関係の結果として行われるお歳暮やお中元みたいなもの、という描き方をする。だがその見方は片手オチではないか? 各種交換や配布は人々の生存に直結するものであり、その中では、そうした贈与にせよ交換にせよ、そうした行為自体が権力を創り出す。これはコルナイ・ヤーノシュ「不足の政治経済学」の指摘でもある。つまり、そうした経済関係がむしろ社会関係とその権力関係を創り出しているのでは? ニワトリと卵的な面もあるが、社会関係を先に置くのは倒錯ではないのか? 昨日、ポランニー『ダホメ王国と奴隷貿易』の全訳終わった。 cruel.hatenablog.com このは、小さく見れば17-19世紀ギニア海岸での経済システムと、特に奴隷貿易に伴う

    ポランニー/イモータン・ジョー/コルナイ:不足の経済と社会権力 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Gl17
    Gl17 2022/06/09
    不足の経済から生じる権力…不況下でブラック企業の社員支配とかまさにこれか。自民や経団連が低成長対策に本気が見られず、上位企業ばかり繁栄、かつ"失われた30年"で彼等の支配力がむしろ増し続けてる現状も。
  • ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    訳者まえがき まちがって公開されたとおぼしき、ロシアウクライナ征服に成功していた場合のロシア国営通信 RIA予定稿の全訳。すぐに引っ込められたが、Wayback Machineにしっかり捕捉されていた。すごい代物。いくらでも言いたいことはあるが、読めば多くの人は同じことを考えるだろうし、ある100年近く前のドイツの人が書いた文章との類似も明らかだとは思う。 以下のツイート経由で存在を知った。ありがとうございます! 1 “The resolution of the Ukraine question.” A mistakenly published Russian article gives us a chilling insight into the neo-imperialist thinking in Russia that drives Putin’s decision to inv

    ロシアの攻勢と新世界の到来 (2022/02/26): 侵略成功時のロシアの予定稿 全訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Gl17
    Gl17 2022/03/02
    ナチズムとの類似性は全くその通りだが、「八紘一宇」とかそういうのともクリソツで、それが本邦でも政界主流派に蔓延りつつあるの危険性へ警鐘とすべきだろう。史実を無視で「歴史は物語」という志向もそのまんま。
  • スターリン閣下はお怒りのようです:インタビューの読み方説明 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    付記:なんか多くの人が、これを2020年10月の学術会議がらみの一件に対する批評的な意図を持ったものだと読んでいるようなんだが、ぼくは実はまるでそんなことを考えていたわけではないのだよ。ホント、たまたま出てきただけなのよ。が、もちろんそういう解釈があり得ることはわからなくはない。そして、それが決して的外れな解釈ではないのも事実。でも、それだけですませてしまうにはもったいない。中身の理解と、その時事的な応用は分けないと。山形がある意味でのさばっているのも、一方であり得るほどはのさばっていないのも、実はある種の文書化された状況や力関係の解読は結構うまい一方、まさに以下で書いたような現実の場でのガンつけに異様に鈍感な部分があるからで、そういう時事的な話にヘタに乗れない/乗らないから、なのだ。そしていまの日の環境ではそうした空気の読まなさ/読めなさが、すぐに寒いところ送りにはつながらないどころか

    スターリン閣下はお怒りのようです:インタビューの読み方説明 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Gl17
    Gl17 2020/10/15
    その部分はスターリンが共産主義だからでなく全体主義だからで、ウェルズの劣勢は当時の資本主義がソッチに劣らず獰猛だったゆえで。スガーリンが国民へガン付けまくりな今、リベラルは呑気だねで笑える立場なのか。
  • 偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    最近さまざまなメディアにおける人民諸君の発言を見るにつけ、であるな、多くの者が堕落し、あるべき革命精神を忘れ、軽視し、捨て去っているように見えるのだよ。特にへっぽこリベラルえせ知識人どもよ。そうした反革命分子どもにも、更正の機会を与えてやろうではないか。偉大なる首領、我らが指導者スターリン閣下のありがたきインタビューを読んで、あらためて社会における己の卑しき役割を再認識したまえ。 H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー、1934年7月 pdfが嫌な人は、この下に全文貼り付けてあるのでこのまま読み進めたまえ。 というわけで、H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー。大恐慌真っ最中の1934年にソ連を訪れたイギリスの大知識人たるウェルズは、もう資主義は終わりだ、社会主義の時代がすぐにやってくると、当時の (そして今の) 軽薄なリベラル知識人ぶりを全開にしてスターリンにインタビュ

    偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Gl17
    Gl17 2020/10/15
    当時の苛烈で獰猛な資本主義が共産主義に勝ったのは結局のとこウェルズ的な修正資本主義によってなのだよな…その背景には無論社会主義国家がなければ成立しなかった。冷戦を忘れるとネオリベが台頭し台無しに。
  • 統計の不備と、各種統計の「相関」の話 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary 統計の信頼性について疑問を呈した柳下毅一郎のツイートを、山形は一蹴した。が、その後勤労統計の集計方法の不備が露見した。ここから、この統計は捏造であり、それが相関しているならすべての統計が捏造だ、という極論を述べたブログが出た。しかし統計は、一かゼロか、完璧かすべて捏造か、というものではない。またその相互の関係も、機械的な関係があるということではない。信頼性の非常に広い幅の中で上下するだけなので、実際にどんな不備があってどのくらい影響を及ぼすのかを具体的に考えないと、妥当性のない陰謀論に流れてしまうだけだ。 はじめに しばらく前に、柳下毅一郎がこんなツイートをした。 アベノミクスで経済がよくなってるとおっしゃるリフレ派の方々は、なぜ財務省の出す経済指標は捏造されてないと信じられるのだろうか。— Kiichiro Yanashita (@kiichiro)

    統計の不備と、各種統計の「相関」の話 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Gl17
    Gl17 2019/01/26
    もとより何でも絶対ではないからテキトーに操作して適法でない調査やったから全否定とは言えない…ってすごい極論だな。不正確さを責められると一気に不可知論へ逃げ込む厨二議論だ。
  • 岩田規久男副総裁は黒田の尻を蹴飛ばしてリフレを十倍増させるべきだったと思う。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    稿の主張は、表題通り。岩田規久男は副総裁として、リフレの理論にもっともっと忠実に動き、黒田総裁を蹴飛ばしても締め上げても何をしてもいいので金融緩和をますます激化させてほしかったし、それができなかったのは不甲斐ないということだ。リフレ派の理論を十分に実践できなくて、あと一歩のところだけに情けないよ、ということ。おしまい。 で、その理由を簡単に説明しようか。 岩田規久男が、3月で日銀副総裁を退任した。お疲れ様でした……と言う気持ちはある一方で、正直いって岩田規久男が日銀で何をやっていたのか、ぼくにはよくわからない。日銀の政策は基的に総裁がすべて決めるのであって、副総裁は総裁の方針には反対できないんだよ、と教えてくれた人々もいた。そうなのかもしれない。でも、そうなんですか? 当にそんなお飾りの、総裁のオウム役でしかないんですか? ぼくにはそれが解せないところだし、不満なところでもある。 リ

    岩田規久男副総裁は黒田の尻を蹴飛ばしてリフレを十倍増させるべきだったと思う。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Gl17
    Gl17 2018/05/02
    リフレ海外学者は「アベノミクスは再配分が欠落」と指摘するが、国内リフレ派て、再配分しないどころか敵対的な現政権批判しないからなあ。白川当時から日銀は金融緩和してたし、黒田氏は言動見るに増税支持側だよ。
  • ピケティにからんで日本の格差について - 山形浩生 の「経済のトリセツ」

    21世紀の資 作者: トマ・ピケティ,山形浩生,守岡桜,森正史出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2014/12/09メディア: 単行この商品を含むブログ (107件) を見る ピケティがらみの話で、そろそろデータを見た人が反論を始めている。そして、日の状況はちがう、日はまれに見る平等社会、日は格差が開いていないどころかかえって狭まっている、よってピケティなんかダメ、という議論をしている。 さて、ピケティを盲信して格差、格差、この世の終わりだ資主義の宿痾だ革命だマルクス様の復活だついでにアベノミクス許さんとさわぐのはたいへん愚かで恥ずかしいことなので、やめていただきたいところ。金持ち儲かるんだろ、知ってたぜ、常識だフン、どうせオレたち貧乏人はいくら頑張ってもダメなのよ、ついでにアベノミクス許さん、とかいった間抜けな発言は、ツイッターくらいにとどめておいてほしい。 その意味

    ピケティにからんで日本の格差について - 山形浩生 の「経済のトリセツ」
    Gl17
    Gl17 2015/02/14
    WSJや反ピケティ派曰く格差拡大してない→してるじゃん、という話。アベノミクスであれだけ金融緩和しても結局低成長に陥ってるし、やはり再配分の不在は強力な成長阻害要因かと。
  • 読売新聞社説:読んでないなら無理して知ったかすんなって。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    昨日、読売新聞のピケティ特集についてそこそこほめたけど、なに、なんか社説もピケティネタだったの? ツイッターでいろいろ罵倒されていたのを見て、最初はあの記事の話だと思ってしまい、ずいぶん思いこみの激しい理不尽な罵倒をされていると思ったんだけれど、実は以下の社説だったんですねー。 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20150125-OYT1T50131.htmlweb.archive.org ……恥ずかしい。まともに読んでない人が、巷のアンチョコ紹介記事読んだだけでなんか言おうとするとこうなります、という見みたいな代物ですな。 資主義国で格差が際限なく広がるメカニズムの論理的な説明はできるのか。他の指標を用いても同じ結論が得られるのか。 って、したり顔で書くけど、一応、あのはそのメカニズムについてある程度の論理的な説明にはなってるはず。弱いリンクはあ

    Gl17
    Gl17 2015/02/02
    資本主義の発展段階として、過度な格差から社会主義と競合する危機に陥り、累進課税や福祉制度等の再配分強化で対抗し勝った…て基本的歴史がもう忘れられてるな。「ホントに格差拡大すんのか」て愚問が出るのは。
  • ピケティ『21世紀の資本』:せかすから、頑張って急ぐけれど、君たちちゃんと買って読むんだろうねえ…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Note (2014.08.04) What follows are some rants by the Japanese translator of "Capital in the 21st Century." I realized that it can be taken out of context (and that some people actually do such things), so I guess I need to explain what's going on. The whole piece was intended to serve as a half-joke expectation management. In Japan, there was some false rumor about the timing of the Japanese trans

    ピケティ『21世紀の資本』:せかすから、頑張って急ぐけれど、君たちちゃんと買って読むんだろうねえ…… - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Gl17
    Gl17 2014/07/12
    ノビーが解説本書くとかいう話、主題的に恐らく不倶戴天だろうが氏の行動原理の大半が逆張りアピールだけなのを考えるとさもありなん。それへの予測ネタが納得でき過ぎ。
  • Cavalli-Sforza et al. The History and Geography of Human Genes: 人間の遺伝子分布についての立派な百科事典。ネトウヨどもは本書についてのインチキなデマをやめるように。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    The History and Geography of Human Genes 作者: Luigi Luca Cavalli-Sforza,Paolo Menozzi,Alberto Piazza出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 1996/08/05メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログを見る ときどき、2ちゃんねる嫌韓系まとめサイトを見る。そこに書かれていることの大半は同じネタのくだらないコピペと、我田引水の曲解まみれではある。でも、ときどきおもしろい(いろんな意味で)ネタが出ているし、そうしたサイトのネトウヨ諸氏と同じくらい異様な韓国側の自国美化も笑えるし、さらに往々にして嫌韓屋たちの主張のある程度はそれなりに正当なものでもある。が、もちろんその他の部分はとんでもないねつ造や歪曲だったりする。 さて、そこに頻出するのが、遺伝ネタ

    Cavalli-Sforza et al. The History and Geography of Human Genes: 人間の遺伝子分布についての立派な百科事典。ネトウヨどもは本書についてのインチキなデマをやめるように。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Gl17
    Gl17 2013/09/28
    嫌韓の難癖は大半に於いて彼等の勝手に追加した捏造であるという実例がまた増えた。てか遺伝的に日本と近いなんて常識レベル知識だのに、そこ持たない前提で騙るってホント聞く側をバカにしてる。
  • 自然エネルギーが安くなったら:温暖化で結集した環境運動崩壊への序曲 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    山形浩生 クルーグマンがこんな記事を書いている。 要するに、太陽電池のコストがかなり下がってきて、石油や石炭と張り合えるようになってきた、という話。だからもう変な化石燃料発掘はしなくていいかもしれない、とのこと。 さてぼくはこれに70パーセント賛成だ。ぼくはクルーグマンの議論の中で、石油メジャーがこれをつぶしにかかるかも、といった議論については、陰謀論もいい加減にしろと思う。その部分が15%。そしてもう一つ、石炭とそのまま横並びで比べてもダメ。日が照らないと太陽光は使えず、自然エネルギーの最大の欠陥である安定性が担保できない。それをカバーするには、コストはさらに二段階くらい――あと半値くらい――下がらないと、当に競争力は出ないだろう。これが15%分。 でも、それ以外はすべて賛成だ。さらにもう一つ、これはロンボルグが長いこと主張してきたことだ、というのも指摘しておこう。いずれ太陽電池は安く

    自然エネルギーが安くなったら:温暖化で結集した環境運動崩壊への序曲 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    Gl17
    Gl17 2011/11/21
    将来期待できるテクノロジー根拠に、旧来必要だった取組を否定するって、タイムマシンでも持ってるのかこの人は。机上論いじり過ぎておかしくなってね?こんなのが大きな顔するから経済学イラネとか言われる。
  • 1