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ブックマーク / kenmogi.cocolog-nifty.com (13)

  • 茂木健一郎 クオリア日記: 研究費「流用」ヨミウリ・ウィークリー記事

    ぼくは、今は残念ながら休刊となってしまったヨミウリ・ウィークリーで、連載を持っていました。 そのご縁のきっかけとなったのが、当時ヨミウリ・ウィークリー編集部にいらした二居隆司さんとの出会いでした。 二居さんは、ぼくが研究費の「流用」について当時のブログに書いたコメントを読んで下さって、連絡してくださいました。そして、丁寧に取材し、記事にしてくださったのです。 あの時の二居さんの勇気と熱意は、忘れることができません。 その後、二居さんとは深い魂の交流がありました。連載も、ずっと二居さんに担当していただきました。 ある時、ぼくは「大切なお話があります」と言われて、二居さんと東京駅で会いました。次の仕事場の銀座まで歩きながら、二居さんが「実はヨミウリ・ウィークリーが休刊することになりまして」と切り出されました。 別れ際になって、ふと気付くと、二居さんの両眼から、涙がぽろぽろとあふれているではない

  • 茂木健一郎 クオリア日記: いわゆる研究費「流用」の報道について

    今朝の朝日新聞に、阪大の研究室が550万円の研究費を「流用」したという記事が出ている。 まるで「風物詩」のように、時々このような記事が出る。その度に、私は二つのことを考える。日の「官」 の杓子定規の駄目さ加減と、日の新聞の浅薄さである。特に後者はジャーナリズムの名に値しない。 中には、真に悪質なケースもあるかもしれない。しかし、大抵の場合、研究費の「流用」として報じられるのは、日の文部科学省、JSTなどの研究費が余りにも使い勝手が悪いことの副産物に過ぎない。 たとえば、秋葉原に行って、実験に必要な器具を臨機応変に現金で購入するということができない。「費目」というのが決められていて、異なる費目に使えない。研究というものは、流動的なもので、当初のもくろみとは異なることにお金を使う必要があることもある。むしろ、そのような研究の方が、ドラマティックな進展が見られることが多い。しかし、予算申請

  • 茂木健一郎 クオリア日記: 「ぼくは入試の勉強で忙しいから、こういう時にこういう本を読まなければ、精神の平衡が保てないんだ」

    当の知性というものは、そもそも、点数で測ることができるものではない。 私の畏友、和仁陽のことを思い出してもそうである。和仁氏は、東京学芸大学附属高校における二年生、三年生の時の私の同級生だった。私たちの年の「共通一次試験」(当時の大学センター試験)の全国一位。1000点満点中、981点だった。 和仁氏の学科の成績がとてつもなく良かったことは事実だし、そのことは、和仁氏の知性の卓越と、正の相関を持つのだろう。しかし、そこのことは、私が二年間クラスメートとして和仁氏と接して感じた彼のとてつもない才能の、ごく一部分に過ぎない。 より和仁氏の質を示すエピソードは、彼が高校の卒業文集で書いた随想のタイトルである。『ラテン民族における栄光の概念について』。他の人が、高校生活の思い出などの普通のテーマについて書いているのに対して、和仁氏が選択したこのテーマの中に、彼の世界観、哲学がいかんなく反映され

    Gln
    Gln 2010/07/03
  • 茂木健一郎 クオリア日記: 最大多数の最大幸福

    人は「他人のため」と思って行動した方が、エネルギーも出るし、良質の仕事ができる。 若い時は、自分がなんとかなろう、自分が幸せになろう、と思いがちだが、「自分」というのは世界に一人しかいない。だから、一人分のエネルギーしか出ない。 一方、さまざまな人のために、と思えば、もっと多くのエネルギーが出る。不特定多数の人のためにがんばろう、と思えば、限りないエネルギーが引き出される。 もう一つ大切なこと。「自分」がどんな人間かはわかっている。何を好み、何を求めるかもわかっている。だから、自分のために何かをするのは比較的やさしい。 一方、「みんなのために」という場合は、その「みんな」の中には、様々な人がいる。好みも、性格も、年齢も、文化的バックグラウンドも全て違う。だから、「みんなのために」と思って何かをやろうと思えば、そもそも多様な人間の共通点とは何なのか、「普遍的人間」(universal hum

    Gln
    Gln 2010/07/03
    「みんなのために」と思って何かをやろうと思えば、そもそも多様な人間の共通点とは何なのか、「普遍的人間」(universal human)とはどのようなものかということを考えなければならない。 ジェレミ・ベンサム(Jeremy Bentha
  • 茂木健一郎 クオリア日記: 波動関数の収縮

  • 茂木健一郎 クオリア日記: 脳のトリセツ 足を引っ張り合う日本人

    週刊ポスト 2010年4月16日号 脳のトリセツ 第37回 足を引っ張り合う日人 停滞するだけの理由があるのに、それを修正する能力がない……日は今、〝鄧小平以前〟の中国のようだ。 抜粋 「失われた10年」が「失われた20年」になろうとしている日。実質経済成長率こそ、何とかプラスを確保しても、名目値が減少する「デフレ」が続いている。中国経済に勢いがあることは慶賀すべき事として、日経済がもう少し元気だったら、世界第二位の経済大国の地位をこんなに簡単に明け渡すこともなかったろう。 ひょっとしたら、日は今、鄧小平氏が「改革開放路線」を実施する前の中国のように、自らの内側に発展を阻害するさまざまな要因を抱えてしまっているのではないか。このところ、そんなことを考える。 少子化が進む日にとって、優秀な外国人の活力を生かし、外国からの投資を促すことは不可欠である。果たして、日は外国から見て魅

  • 茂木健一郎 クオリア日記: 聖なる集中

    インターネットの普及によって、人々は、「拡散的思考」には慣れているように思う。 あるキーワードで検索すると、あるものが引っかかってきて、その連想で、次から次へとリンクを辿っていく。 あるいは、twitterのタイムラインをチェックしてみる。携帯のメールを見る。 そのような拡散的なモードは大事だけれども、一方である一つのことに深く集中し、沈潜していくモードも大切である。 深く集中する時には、思い切ってリンクを切って、孤立しなければならない。孤立と拡散のコントラストこそが、ダイナミクスのバランスを回復する。

    Gln
    Gln 2010/04/09
    「ある一つのことに深く集中し、沈潜していくモードも大切である。深く集中する時には、思い切ってリンクを切って、孤立しなければならない。孤立と拡散のコントラストこそが、ダイナミクスのバランスを回復する。」
  • 茂木健一郎 クオリア日記: 積み上げてきたことの意味

    Gln
    Gln 2010/04/03
     三浦知良「練習で、ある程度苦しいところまで追い込まないと、喜びも得られない」。4年3ヶ月、プロフェッショナル。『積み上げてきたことの意味は、ずっと後からわかるのだろう』
  • 茂木健一郎 クオリア日記: 連帯保証について

  • 茂木健一郎 クオリア日記: 激烈なるもの

    桑原茂一Diaryに、先日の私の愚行に ついて書かれている。 うーん。思いだしてもヤッチマッタ感が 募る。シャワーを浴びている時など、思わず うゎつ! と叫んでしまいそうだ。 私の大切な友人たちには、一人として 例外ない特徴があると気付いた。 それは、魂の芯に、激烈なるものを 持っていること。 桑原茂一さんも、そのような人である。 あと、名前をあえて挙げないが、 ぼくの親友のキミタチ、胸に手を 当てればそこにいまにも爆発しそうな なにものかがあるということを、首肯 するであろう。 田森佳秀にせよ、数学のことしか 考えていないようで見えて社会的なことを 含め頑固一徹者だし。 以前、授業を一度だけ聞いたことが ある。その時、田森は、あるシステム管理者が ユーザーの一人がメールを不適切な使い方を したからといって、全アドレスを使用停止に したことに対して激怒していた。 「いいですかみなさん、メー

  • 茂木健一郎 クオリア日記: 人生の感想戦

    将棋の棋士は、対局が終わったあとに 「感想戦」を行い、ここが勝負の 分かれ目だったとか、ここが失着だった などと振り返る。 過去の自分の経験を振り返って、 「こうすれば良かった」と認識するのは 脳の使い方としてとても興味深い。 「後悔」(regret)するためには、 現実(factual)と反現実(counterfactual)を 比較して認識しなければならない。 「失望」(disappointment)をするためには、 単に事実を認識すれば足りる。 一方「後悔」するためには、実際に起こった ことだけでなく、「起こったかもしれないこと」を 認識しなければならない。 大変高度な脳の働きである。 人間というものはやっかいなもので、 何かで失敗したりすると、それが起きた という事実自体を振り返るのがイヤに なる。うまくいかなかったこと自体を 否認しようとしたり、あるいはなるべく 考えないようにし

  • 茂木健一郎 クオリア日記: 中居クンの判断

    第58回紅白歌合戦のゲスト審査員を させていただく。 NHK放送センターには、 午後3時に入った。 まずは、10階の『プロフェッショナル』班 がある社会情報番組の部屋に行き、 有吉伸人さんと合流。 ラジオセンターに向かい、 15時30分から16時15分まで、 ラジオ第一で、古屋和雄さん、 有江活子さんとともに、 「守りたいもの、守るべきもの」に ついてお話しする。 そのままNHKホールへ。 審査員席に座る。 青木功さん、新垣結衣さん、上田桃子さん、 岡島秀樹さん、陣内智則さん、板東眞理子さん、 中村勘三郎さん、藤原紀香さん、宮崎あおいさん とご一緒する。 番中の移動など、段取りについて 説明を受ける。 舞台上では、マッスルミュージカル の方々によるリハーサルが行われていた。 「舞台転換はすごいことになっていますよ。 舞台の裏は外につながっていて、使い 終わった大道具はどんどん出していって

    Gln
    Gln 2008/01/02
    紅白の舞台裏。中村中のエピソードを巻かずに紹介。
  • 茂木健一郎 クオリア日記: 白魔術

    竹内薫の日記を読んで、イラン人の親子の 退去の問題について、何かコメント しようと思ったが、やめた。 竹内薫が、怒りを表明する。 わが親友に対する信頼が深まる。 最高裁判所、および件の法務大臣の判断は 私のコモン・センスと違う。 しかし、日の法の実務家にはそもそも コモン・センスを尊重する風土がない。 それにしても、最近の政治状況はどうか。 小泉純一郎首相の時には、 インテリの間でも支持する声が 聞こえたが、 今の首相を支持する人は周囲には ほとんど見られない。 政権から 伝わってくるのは、弱者や少数者に 対する想像力ではなく、 傲慢さと無知と偏見のいやなグルーヴ だけである。 これでは、まともな感性を持った 人が離れていくのは当然だろう。 ボクは白魔術の人間でいたいと思う。 モーツァルトのように、あくまでも ポジティヴな感情、志向性を発して 行きたいと考える。 Steve Jobsのス

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