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ブックマーク / science.srad.jp (51)

  • 米オークリッジ国立研のスパコン解析で、COVID-19の「ブラジキニン仮説」検証が進む | スラド サイエンス

    米国のオークリッジ国立研究所の研究チームから、スーパーコンピュータ「サミット」を使用して行った研究で、体内に進入したSARS-CoV-2ウイルスが人体の「レニン・アンジオテンシン(RAS)系」と呼ばれる系統を制御して「ブラジキニン」と呼ばれる物質を作らせ、様々な症状を引き起こす様子をモデル化した論文が発表された(Elemental)。 Gado Imagesの創設者Thomas Smith氏が解説している。 解説によればSARS-CoV-2は従来言われていた「サイトカイン・ストーム」ではなく「ブラジキニン・ストーム」と呼ぶべき状況を起こし、血管透過性を引き上げて肺に体液を流し、ヒアルロン酸の産生を引き上げ、体液を吸い込んだヒアルロン酸がゲル状の物質となって肺胞を覆ってしまうため、感染者の呼吸が妨げられるという。また、心臓の症状、倦怠感や発作といった脳の症状も、ブラジキニンによる血管拡張や脳

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    Gln 2020/09/05
  • ムペンバ効果が実証される。温度むらのある物質は均一な温度の物質より早く冷える | スラド サイエンス

    お湯が冷たい水よりも先に凍ることがある。1963年にタンザニア13歳の少年、ムペンバ君は、熱い水のほうが冷たい水よりも早く凍ることを発見し、学校で研究成果を発表した。この「ムペンバ効果」が起きる原因は、確実な再現方法がなかったことから、物理学永遠の謎だった。 この長年の謎が、サイモンフレーザー大学の物理学者Avinash Kumar氏とJohn Bechhoefer氏の研究により、この謎は解明されることとなった。同チームはもともとムペンバ効果について研究していたのではなく、「水の単一分子に近い大きさのガラスが水中でどのように動くか」を研究していたもので、たまたま水分子に近いサイズの高温のガラスビーズが、低温のガラスビーズよりも速く冷却されることを発見。今回の成果につながったという(ナゾロジー、Science News、Smart News、GIGAZINE)。 あるケースでは、高温のビーズ

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    Gln 2020/08/16
  • 20170831と20170901はともに素数、2日連続で素数となる日付は15年ぶり | スラド サイエンス

    立命館大学の上原哲太郎教授によると、素数日が連続するのは15年ぶりだという(Togetter まとめ)。 日付を西暦年を使った8桁の数字で表したときに素数になる日を素数日と呼ぶことにして、2017年9月1日を20170901と表せば素数日。20170831も素数日で、素数日が連続するのは2002年5月31日/6月1日以来だという(今世紀2回目)。 このように連続素数日は月末月始になる決まりで、今後今世紀中の連続素数日は2018年7月末、2020年大晦日、2028年2月末、2029年大晦日、2036年10月末、2064年3月末、2068年8月末、2075年1月末、2080年2月末と5月末、2081年10月末、2093年7月末となる。連続する素数日を調べる便利なプログラムもある。 さらに2017年9月3日も素数日であり、9月1日とは双子素数の関係にある。連続素数日と双子素数日が重なるのは198

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    Gln 2017/09/04
  • セシウムを取り込みにくくするよう品種改良を行ったコシヒカリが開発される | スラド サイエンス

    放射性セシウムを取り込みにくいよう品種改良された米が開発された(朝日新聞、日経新聞、産経新聞)。 放射性物質で汚染された農地の問題点としては、作物が放射性物質を取り込んでしまう点がある。今回開発された新しい品種はコシヒカリをベースにセシウムを取り込みにくくするような突然変異を起こしたもので、セシウム濃度は玄米中で55%、稲わらで59%下がったという。収穫量や味は従来のコシヒカリとほぼ同じだそうだ。 とはいえ、「品種改良」といえば聞こえは良いが突然変異というのは意図的な遺伝子操作であるわけで、これに否定的な人は一定数いそうである(そしてそのような人達は放射能汚染を主張する人達とかぶりそうな気がする)。 放射性セシウムは半減期が30年と長く、また土壌に強く保持される特徴があるため特に注意が必要とされている(日土壌肥料学会)。ただ、白米については吸収されたセシウムのうち可部に運ばれる量が少

    セシウムを取り込みにくくするよう品種改良を行ったコシヒカリが開発される | スラド サイエンス
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    Gln 2017/06/05
  • Natureが日本の科学研究失速を特集 | スラド サイエンス

    科学雑誌Natureの2017年3月23日号の特別企画冊子「Nature Index 2017 Japan」で、日の科学研究が失速していることが指摘されている(NHK、natureasia.com)。 NHKの記事ではその理由として「ドイツ中国韓国などが研究開発への支出を増やすなか、日は大学への交付金を減らしたため、短期雇用の研究者が大幅に増え、若い研究者が厳しい状況に直面していることなどを挙げています」と記述されている。 河野太郎衆議院議員のブログに掲載されているデータによると、2001年から2014年にかけて国公私立大学の研究予算はほぼ横ばいという状況となっており、Natureの記事にあるように「科学への投資が停滞」という表現が正しいと思われる。ただ、河野太郎議員は「科学技術振興予算は今後、増えません」と釘を刺しており(過去記事)、今後の見通しは明るくない。

    Natureが日本の科学研究失速を特集 | スラド サイエンス
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    Gln 2017/03/25
  • 東大の研究者ら、線香花火の火花の秘密を解き明かす | スラド サイエンス

    東京大学などの研究者らが、線香花火の「美しい火花」がどのようにして発生するかを解明するとともに、その挙動を理論的に定式化したと発表した(東京大学の発表、Physical Review掲載論文)。 線香花火は、先端の火球を中心に枝分かれして出た複雑な火花が特徴だが、なぜこのような火花が出るのかは今まで解明されていなかったという。今回の研究では線香花火の火花の様子を高速度カメラで撮影して分析した結果、火球表面の気泡から飛び出した液滴が破裂して分裂していくことが繰り返されて線香花火の特徴的な火花が生まれることが分かったという。 一般的な固体/液体は1、2回の分裂で安定するが、線香花火では液滴の分裂は最大8回も発生することがあり、これによって美しい火花が生み出されているとのこと。

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    Gln 2017/02/21
  • 実験室で卵巣の環境を人工的に再現し卵子を大量生産することに成功 | スラド サイエンス

    九州大学などの研究グループが、マウスの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から卵子を大量に作り出し、その卵子から子供を誕生させる過程をすべて実験室環境で行う実験に成功したそうだ(NHK、時事通信、Nature誌掲載論文)。 実験ではマウスの尻尾の組織から作ったiPS細胞を培養液の中に入れ、培養液の成分を徐々に変えることでマウスの卵巣の中の環境を人工的に再現したという。その結果、iPS細胞から成熟した卵子およそ1000個を作り出せたそうだ。卵巣の環境を人工的に再現して卵子を作り出すことに成功したのは世界で初めてだという。

    実験室で卵巣の環境を人工的に再現し卵子を大量生産することに成功 | スラド サイエンス
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    Gln 2016/10/22
  • デジタルデータ化によって人類の知識が消失するリスク | スラド サイエンス

    TCP/IPの設計に携わり「インターネットの父」とも呼ばれるヴィントン・サーフ氏が、デジタルコンテンツの保存寿命について懸念しているという(MOTHERBOARD、Slashdot)。 現在デジタルデータの保存に多く使われている磁気ディスクには粘土板ほどの耐久性はない。そのため、仮に紙の経典などをデジタルデータに置き換えた場合、データとしての寿命は紙などよりも短くなってしまう可能性が高い。さらにデジタルコンテンツの多くは、表示のための専用アプリケーションを必要とする。我々はこの難問に取り組まない限り、知識が時とともに消え去ってしまうかもしれないとしている。

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    Gln 2016/10/09
  • 脳信号で動物にキーボードを打たせる実験に成功 | スラド サイエンス

    スタンフォード大学の研究者らが、「考えるだけ」でテキスト入力を行える技術を開発しているそうだ。動物実験ではすでに高速な入力に成功しているという(GIGAZINE)。 今回実験が行われたのは脳に電極を埋め込み、手や腕を動かすときの信号を読み取るというシステム。実験では画面に表示された文字をタイピングするように訓練したサルを使い、ハムレットの一節「To be or not to be. That is the question.」をこのシステムを使ってタイピングさせることに成功したという。また、タイピング速度は「1分間に12ワード」ほどだったそうだ。

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    Gln 2016/09/21
  • 訃報:LOGO言語やMINDSTORMSの開発者シーモア・パパート氏 | スラド サイエンス

    LOGO言語の開発者であるシーモア・パパート氏が7月31日、88歳で亡くなった(MIT News)。 LOGO言語といえば、「亀を動かしてグラフィックを書く」タートルグラフィックスが有名。また、パパート氏はLEGO社と共同でプログラミング可能なブロック「MINDSTORMS」の開発に関わっていたことでも知られる。そのほか、子供に向けたコンピュータ教育に関するさまざまなプロジェクトにも関わっていた。

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    Gln 2016/08/05
  • 「まともではない論文誌」への投稿数が最多の日本の大学は? | スラド サイエンス

    最近ではお金を出せば低レベルの学術論文でも「国際会議論文」もしくは「学術研究論文」として受理する組織が急増しており、問題となっています。これらはそれぞれ「predatory conference organizer」や「predatory journal publisher」と呼ばれています。こういったところに論文を投稿した場合、信用を失い、業績にも書けないという問題が発生することから、コロラド大学図書館のJeffrey Beall司書がこのような組織をまとめた「Beal's list」を公開しています。 驚くべき事に、2015年度版のpredatory publisherには700近くのエントリが掲載されています。このリストの妥当性に関しては意見が分かれるところですが、研究者としては内容を理解しておく必要はあります。 さて、多くのpredatory publisherのwebサイトは、利

    「まともではない論文誌」への投稿数が最多の日本の大学は? | スラド サイエンス
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    Gln 2016/01/26
  • Microsoft、統計解析向け言語「R」のRevolution Analyticsを買収 | スラド サイエンス

    Microsoftがは1月23日、R言語を提供するRevoluton Analyticsを買収したと発表した(GeekWire、ZDNetMicrosoft、Slashdot)。 R言語はオープンソース・フリーソフトウェアの統計的計算や予測分析向けのプログラミング言語。Revoluton Analyticsのブログによれば、無料のR Open Projectのサポートは継続され、サブスクリプションサービス「Revolution R Plus」の技術サポートも引き続き提供する計画だという。 Microsoftは今後もMacLinuxなどさまざまなOS上でオープンソースと商用のRevolution Rのサポートと開発を継続するとしている。

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    Gln 2015/01/27
  • 英国、衛星を使用しない測位システム「量子コンパス」を開発中 | スラド サイエンス

    軍事目的のために開発され、現在は腕時計やスマートフォンにも搭載されているGPS機能だが、水中での測位はできない。そのため、GPSを置き換えるものとして、イギリス国防省の防衛科学技術研究所(DSTL)が「Quantum Compass(量子コンパス)」を開発中とのこと(GPSDailyの記事、 Motor Authorityの記事、 ASCII.jpの記事、 家/.)。 量子コンパスは潜水艦内でGPSに代わるものとして開発されており、ボース=アインシュタイン凝縮を応用することで、人工衛星を使用せず地球の磁場や重力場の情報を取得して位置を特定できるという。既にシューボックス型で長さ1メートルの軍事用プロトタイプが完成しており、潜水艦や船舶だけでなく兵士も利用できるよう小型化に注力しているとのことだ。 GPSとは異なり測位に電波を使用しないことから、量子コンパスは妨害に強いというメリットもある

  • DNA折り紙で作った構造体を使い、ゴキブリ体内で論理演算を実行する研究 | スラド サイエンス

    イスラエル・Bar-Ilan Universityの研究者らが、DNAで作ったナノサイズの物質を使ってゴキブリの体内で論理演算を実行させることに成功したそうだ(Nature Nanotechnology掲載の論文要旨、New Scientist、PC Watch)。 研究では、「DNA origami」(DNA折り紙法)と呼ばれる、多数のDNAを二次元/三次元的に結合させることで構造体を作る手法を使い、特定の細胞に作用してその内部に保持していた物質を放出する複数種類の「ナノロボット」を作成。これをゴキブリ体内に注入し、相互作用を行わせたという。ゴキブリ体内でのこれら「ナノロボット」の活動を観察したところ、コンピュータが行うのと同様の論理演算を実行でき、またこれら物質の伝達および制御精度はコンピュータと同等であることを確認できたという。 この手法を拡張することで、この「ゴキブリコンピュータ」

  • 薬物で時間の感覚を狂わせることで「懲役1000年」が実現できる可能性 | スラド サイエンス

    哲学者であるRebecca Roache博士率いるチームは、「未来の技術」によって変化する懲罰の形態を探っているという。その一つに、「薬物を使い懲役に服する期間を伸ばす」というものがあるそうだ(The Telegraph、slashdot)。 これは既に存在しているという「時間の感覚を歪める薬物」を使い、服役者の時間の感覚を遅くする、もしくは脳の働くスピードを速めることで、長い年月分の心の働きを短期間に収めるというもの。これを利用することで、「1000年の時間の単位に値する懲役」を実現できるという。 しかし、死ぬまで閉じ込めておくことと、脳を操作して長期間の懲役を実現した後に自由にすることのどちらが道理的なのだろうか。このような問いかけは単に「未来的」な懲罰を探るのではなく、未来の目から現在を見ることで懲罰の道理を再考することが目的であるとのことだ。

  • 高速フーリエ変換より高速なフーリエ変換アルゴリズム | スラド サイエンス

    DFT(短時間フーリエ変換)した結果がkスパースな (=ほとんど0ばっかりで、0以外のデータが最大でもk個しかない) ような、信号に対して行える高速アルゴリズムの話しのようです。 計算オーダー ・DFT O(n^2) ・FFT O(n log n) ・NOSFT ①O(k log n)      ※理想 ②O(k log n log(n/k))  ※一般的な入力 ただしk≦n, フーリエ変換結果がkスパースな場合。 理想的には、kスパースなデータであれば①なんでしょうけど、 わりあいkスパースなデータであれば②程度。外れていれば誤差が増える。 10倍早いという感じは受けなかったのですが、 イメージ的には全データ1024個だったら、フーリエ変換した後の結果が 0以外のデータ102以下、ほとんど0データが残992個であれば、 ②の演算が採用でき、k=102, n=1024としてFFTに比べ10

  • 理研、100万×100万の巨大行列の固有値計算を1時間で達成 | スラド サイエンス

    理化学研究所がスーパーコンピューター「京」を使い、100万×100万の密行列の固有値を1時間で計算することに成功したそうだ( 報道発表資料、 60秒でわかるプレスリリース)。 研究チームでは新しい計算アルゴリズムを考案し、行列の固有値を高速で計算できるソフトウェア「EigenExa(アイゲンエクサ)」を開発。「京」の全663,552プロセッサとEigenExaを用いて100万×100万の密行列の固有値を求めたところ、1週間ほどかかると考えられていた計算が1時間で可能なことが確認できたという。 cvmonto 曰く、 処理の実行速度は「京」の理論ピーク性能の16%に当たる1.7ペタFLOPSという高い数値を記録したとのこと。100万×100万の行列の固有値問題が計算されたという報告はこれまでになく、過去の世界最大規模の固有値計算としては地球シミュレータの4,992プロセッサを用いて40万×4

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    Gln 2013/12/07
  • 2013年のノーベル化学賞は分子構造をシミュレーションするプログラムの基礎を作った3氏が共同受賞 | スラド サイエンス

    2013年のノーベル化学賞は、複雑な分子構造をコンピューター上でシミュレーションするマルチスケールモデルを開発した米ハーバード大学のMartin Karplus氏と米スタンフォード大学のMichael Levitt氏、米南カリフォルニア大学のArieh Warshel氏が共同受賞した(プレスリリース、 時事ドットコムの記事、 CNN.co.jpの記事)。 かつて化学者らは球体と棒を使って分子構造モデルを作っていたが、現在ではコンピューター上でシミュレーションされている。3氏は1970年代に化学反応のプロセスを理解し、予測するプログラムの基礎を作った。現実を反映するコンピューターモデルは、化学の進歩に最も重要な役割を果たしたとのこと。 なお、同じ分野で活躍しており、受賞が期待されていた京都大福井謙一記念研究センター・シニアリサーチフェローの諸熊奎治・米エモリー大名誉教授は惜しくも受賞を逃すも

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    Gln 2013/10/11
  • 2013年のノーベル医学生理学賞、細胞内輸送の研究に対し贈られる | スラド サイエンス

    2013年のノーベル医学・生理学賞がJames E. Rothman博士、Randy W. Scheman博士)、 Thomas C. Sudhof博士の3氏に贈られた(プレスリリース、日科学未来館科学コミュニケーターブログ、CNN.co.jp)。 受賞理由は、細胞内における物質輸送の解明。細胞の主要な構成物であるタンパク質は、小胞体と呼ばれる部分で合成される。その後、核や細胞膜上、その他の必要とされる場所に必要なタンパク質が送られる必要があるが、具体的にどのようにして輸送先が決定されているのかを解明した。 こうした 発見の積み重ねから、細胞というモノが生物の最小構成単位としていかに優れているかが分かる。今後も、生物がなぜ生物なのか追求するような研究に期待したい。

  • 放医研、認知症を引き起こす異常タンパク質の生体内での画像化に成功 | スラド サイエンス

    放射線医学総合研究所(放医研)は、ポジトロン断層撮影(PET)用の薬剤「PBB3」を開発し、認知症の神経細胞死に直結するタウタンパク質(タウ)の蓄積を生体内で画像化することに世界で初めて成功したとのこと(プレスリリース、 論文プレビュー)。 アルツハイマー病患者の脳内ではアミロイドベータやタウといった異常タンパク質が蓄積し、神経細胞が死ぬことで症状が出てくることが知られている。PETによるアミロイドベータの画像化技術により、確定診断は大きく進歩したが、タウについては未開発だった。今回、放医研ではPBB3を用いて認知症モデルマウスとヒトのアルツハイマー病患者とで脳内のタウによる病変の画像化に成功している。最近では神経の中に蓄積するタウが神経細胞死に密接にかかわると考えられるようになっており、認知症の治療薬の開発に貢献しそうである。

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    Gln 2013/09/22