愛媛大と三重大、民間バイオ関連企業などが共同開発してきた急性骨髄性白血病などの新たな遺伝子治療の臨床研究がこのほど、厚生労働省に承認された。愛媛大大学院医学系研究科長の安川正貴教授(60)=内科学=は「薬物療法などこれまでの一般的な治療が難しかった患者にも優しい」とし、患者選定や病院の受け入れ態勢を整え、早ければ5月ごろの開始を目指す。 安川教授によると、急性骨髄性白血病か白血病の前段階である骨髄異形成症候群で、薬物療法など標準的な治療の効果が期待できない患者らが対象。 患者から採血した50〜100ミリリットルを三重大に送り、がん細胞だけを殺傷する「キラーT細胞」に含まれる特定遺伝子を血液中のリンパ球に注入。再び患者に点滴で投与し、がん細胞を取り除く。採血から投与まで約3週間かかり、2年以内に9例を予定しているという。