ピラミッドには良質の石灰石が使われているため、これまでも同様の破壊行為があったらしい。 そんな話を聞くと、ベリーズの観光文化相の「無神経で無教養、理解に苦しむ行為」とのコメントにうなずいてしまうが、こうしたことは決して稀なものでもないようだ。 というのも、以前、私はパキスタンのインダス文明の貴重な遺跡モヘンジョダロを訪れた際、遺跡ガイドから「管理が手薄なこともあって、発掘品を近隣住民たちが持ち帰り自分の家の建材に使っているようなのだが、貧困層の家を壊すことまでして返せとも言えず、そのままになっている」という話を聞いたことがあるからだ。 結局、観光収入など、遺跡から受ける恩恵が少ないという現実の表れとも言える事件なのかもしれない。 ベリーズにも歴史的に重要なマヤ遺跡は数多くあるが、世界遺産に登録されているものはなく、世界の注目度は低い。 昨年末のマヤ暦が途切れるという「世界終末の日」騒動の時