カールスルーエのシナゴーグ 『タナハ』 (ヘブライ語ラテン文字転記:tanakh)、『ミクラー』 (miqra') と呼ばれる書を聖典とする。これはキリスト教の『旧約聖書』に当たる書物である。ただし、成立状況が異なるので、キリスト教とは書物の配列が異なる。イスラム教でも『モーセ五書』は『コーラン』に次いで重要視される。ユダヤ教では、この他にタルムードをはじめとしたラビ文献も重視する。 しかし、ユダヤ教は信仰、教義そのもの以上に、その前提としての行為・行動の実践と学究を重視し、キリスト教、特にルター主義とは違う[注 2]。タルムードとは複数のラビの意見が集約されたものであり、聖書の矛盾を解消するための説明もあれば、あまり洗練されていない教えもある。普遍的に通じる道徳的な教えもある一方で、儀式的で普遍的ではないものもある。例えば、アミーダー・アーレーヌー・ムーサーフなどを含んだシャハリート・ミ