前回は,わが国の高校生のICT利用度が国際的にみて著しく低いことを明らかにしました。ここでいうICT利用とは,自宅のコンピュータを使ったものであり,ケータイやスマホ等の小型機器を介したものは除かれます。 そうである以上,わが国の高校生のコンピュータスキルはどうなのか,という懸念が持たれます。前回と同様,PISA2009のデータを用いて,この点を吟味してみましょう。 PISA2009の生徒質問紙調査では,対象の15歳の生徒(日本は高校1年生)に対し,「コンピュータで次のことがどれくらいできるか」と尋ねています。 情報化が進む現在,身につけておいて損はないスキルばかりです。いや,見方によっては,学生のうちに習得しておくべき必須のスキルであるともいえましょう。これらの5つの項目への反応を合成して,生徒のコンピュータスキルを測る尺度をつくってみます。 1という回答には4点,2には3点,3には2点,