◇なでしこジャパン五輪消滅 【なでしこ落日(1)】11年W杯ドイツ大会を制するなど、圧倒的な強さを誇ったチームが余儀なくされた再建。「なでしこ落日」と題した全5回の緊急連載で、チーム内外にあった問題点を検証する。 【写真】なでしこ後任監督は高倉麻子氏最有力 転落の始まりは、4年前にさかのぼる。12年ロンドン五輪。選手も指揮官も、そのメンバーで戦う最後の大会と信じ、死力を尽くして戦った。初の銀メダル獲得に沸いたが、その直後に状況は暗転。同五輪で勇退するはずの佐々木監督が一転、残留となった。そこから不協和音が流れ始めた。 選手と監督の微妙な距離感は、大きな溝に変わった。互いに歩み寄ることができず、指揮官は選手と一線を引く。「冷たい」「もっと見てほしいのに」と選手が訴えても、指揮官は「おまえらは俺から何を言われても聞かないだろ」と吐き捨てたこともあった。11年W杯ドイツ大会では東日本大震災