ユダヤ人としてアウシュビッツに収容され、 その地獄の環境における人間観察を描いた「夜と霧」という世界的なベストセラーがあります。 まだ読まれていない方がいらっしゃいましたら、 是非一生に一度は読むことをオススメする本です。 この本は1991年のアメリカ国会図書館の調査で 「私の人生に最も影響を与えた本」のベストテンに入っています。 この「夜と霧」の著者であるヴィクトール・E・フランクル博士は、 アウシュビッツに収容される前に、 一本の論文を執筆していました。 「収容所へ送られると死が待っているに違いない。 だとすれば何としてでもそれまでに、 自分の生きた証であるこの著作を仕上げなければ・・・」 このような想いで執筆を行っていた彼ですが、 この論文が世に出る前に、彼はアウシュビッツに収容されてしまいます。 この論文を諦めきれない彼は、 上着の裏地に原稿を縫い合わさるなどして、原稿を護ろうとし