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ブックマーク / www.ringolab.com (161)

  • コクヨの1分間プレゼンテーション - 情報考学 Passion For The Future

    ・コクヨの1分間プレゼンテーション この凄くいいな。 私は先日、社内の新人研修で「プレゼンテーション」の講師をつとめた。私が社内で一番講演やスピーチの数をこなしているだろうということで選ばれたわけだが、自分だけが体得した暗黙知を、他人に伝達可能な形式知にまとめるのは大変な作業だった。あの研修の前にこのを読んでいれば相当参考になったなあ、共感できる内容が多い。カリスマではなくても聴く人にちゃんと伝わり、そして動かすプレゼン術の基が解説されている。 プレゼンで大事なのはだらだら話さないこと。情報を圧縮すること。取捨選択能力、文章構成力、キーワード力をフル活用して、長い話も1分にまとめる。具体的な時間配分も推奨されている。 疑問を投げる (15秒) 興味 何だろう? 結論を述べる (10秒) 驚き へぇ~ 理由を説明する(35秒) 納得 なるほど! これがコクヨの1分間プレゼンテーションだ

  • 「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 - 情報考学 Passion For The Future

    ・「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代 ソーシャルネットワークとコミュニケーション重視の時代の問題提起。 「家族や仲間の承認のみを求め、それ以外の人々の承認を求めないのは、多くの人間の賞賛を求める野心とは無縁な、ある意味で堅実な生き方のように思えるかもしれない。理解してくれる人が少しでもいればそれでいい、という思いも十分に理解できる。しかし、見知らぬ大勢の人々の承認など不要だとしても、自らの行為に価値があるのかないのか、正しいのか間違っているのかについて、身近な人間から承認されるか否かのみで判断し、それ以外の人々の判断を考慮しないとしたら、それはとても危険な考え方である。」 価値ある行為を行う、それに対して、他者から承認を受ける。この基ルールでの人間の成長が難しくなってきている。価値観の多様化によって社会共通の価値観が崩れ、「価値ある行為」が限定的なものになってしまったことに原因が

  • スピーチの天才100人 達人に学ぶ人を動かす話し方 - 情報考学 Passion For The Future

    ・スピーチの天才100人 達人に学ぶ人を動かす話し方 "ナポレオン・ボナパルト(フランス皇帝) さらば、友たちよ。諸君の一人ひとりをこの胸に抱き締められれば、どんなにいいだろう。 ─── 古参近衛兵たちへの惜別の言葉。1814年4月20日、パリ郊外のフォンテンブロー宮殿の中庭で" ソクラテス、チャーチル、リンカーン、マンデラ、孫文、鄧小平、ワシントン、フランクリン、ガリレオ、ガンジー、ケネディ、ナポレオン、ジャック・ウェルチ、ビル・ゲイツ、オバマ...。社会に大きな影響を残した名演説家たちのスピーチに学ぶ、聴衆に感動を与える秘訣。 "出発の時間になりました。これから私たちはそれぞれの道を行くことになります。私は死に、みなさんは生き続けます。どちらがよい道なのかは、神にしかわかりません ─── 「ソクラテスの弁明」紀元前399年、ギリシアのアテネで(プラトン著「ソクラテスの弁明」より)" 偉

  • モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか - 情報考学 Passion For The Future

    ・モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか 重鎮フィリップ・コトラーが『マーケティング3.0』を提唱して驚いたが、ダニエル・ピンクによるとモチベーションも3.0になる。2.0ではもはや古いものを意味するようになった。 著者はモチベーションを人類の行動のOSにたとえて、 モチベーション1.0 生存を目的とする人類最初のOS モチベーション2.0 アメとムチ=信賞必罰に基づく、与えられた動機づけによるOS モチベーション3.0 自分の内面から湧き出る「やる気!」に基づくOS という進化を遂げるのだという。 これまでの信賞必罰2.0は現在のビジネスの事業形態と一致していない。21世紀の人間の行動と一致しない。現代の仕事の多くと相いれない。といった理由で、時代遅れであり、ありがちな目先の報奨プランや成果主義に基づく給与体系は、多くの組織で機能せず、有害な場合さえ多いのだと教える

  • 解明される宗教 進化論的アプローチ - 情報考学 Passion For The Future

    ・解明される宗教 進化論的アプローチ ある寄生虫はアリの脳に寄生して行動を乗っ取り、アリが捕者にみつかりやすい行動をとらせる。アリがわれれば寄生虫は牛や羊の胃の中に入り込むことができるからだ。宗教は人間の脳に寄生して種を破滅させる観念のウィルス(ミーム)みたいなものだと"ブライト(宗教を信じない)"代表のデネットはいう。 「アラビア語のイスラームが「服従(身をまかせること・神に帰依すること)」という意味であることを、思い起こすべきである。イスラム教徒(ムスリム=神に帰依する者)たる者は、自分の利害関心よりもイスラム教の拡大を優先させるべきだという観念は、まさにその語源に組み込まれている。しかしこれはイスラム教だけの話ではない。そうだとすれば敬虔なキリスト教徒にとって、自分自身の幸福や命よりも重要なことは何だろうか?<御言葉>だ、と彼らはいうだろう。神の<御言葉>を広めることが彼らにとっ

  • 裸はいつから恥ずかしくなったか―日本人の羞恥心 - 情報考学 Passion For The Future

    ・裸はいつから恥ずかしくなったか―日人の羞恥心 ペリーの日遠征に随行した画家の「下田の公衆浴場」という絵には、全裸の男女が秘所を隠すこともなく混浴の浴場でくつろぐ様子が描かれている。若年や中年の男女が多いが、誰も互いの裸体に欲情していないし、恥ずかしさも感じていないことがみてとれる。この絵を見たアメリカ人は日人を「淫猥な人たちだ」といい、フランス人は「日人に羞恥心はない」といい、オランダ人は「男女の性別を気にしていない」といって驚き、そして軽蔑した。 150年前の日では「男女が無分別に入り乱れて、互いの裸体を気にしないでいる」のは普通だったのだ。江戸時代の日人にとって、裸体は顔の延長のようなものであり、現代人の我々がスッピンの顔を見られても恥ずかしくないように、裸を見られても平気だった。 江戸時代の日人がいかに裸に対しておおらかだったか、具体的な記録から明らかにされる。若い娘

  • 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義 - 情報考学 Passion For The Future

    ・20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義 著者のティナ・シーリグはシリコンバレーの中心に位置するスタンフォード大学で、学生に起業家精神を教えるアントレプレナー・センターのエグゼクティブ・ディレクター。「機が熟すことなどない」「早く何度も失敗せよ」「及第点でなく最高を目指せ」「ルールは破られるためにある」。集中講義を書籍化した書は、たとえ20歳でなくても、挑戦心を焚きつけられるメッセージがいっぱい見つかる。 スタンフォード大のようなエリート養成校で、こうした「異質なこと」をする能力を魅力的に教えるコースがあるということが、アメリカのイノベーション創出能力(アップルやグーグル)の源泉にあることは間違いない。 情熱とスキルと市場が重なり合うあなたにとってのスウィートスポットを探せ、という。それは趣味仕事の境がない世界。「ライフワークバランス」なんていう軟弱発想とは無

  • 13日間で「名文」を書けるようになる方法 - 情報考学 Passion For The Future

    ・13日間で「名文」を書けるようになる方法 高橋源一郎の明治大学大学院における「言語表現法」講義の書籍化。全13回の授業が学生とのやりとりを含めて収録されている。とてつもない名講義。言葉で語らず、インタラクションで考えさせるという高度な教授法を、毎回繰り出す。 初日、スーザン・ソンタグの「若い読者へのアドバイス」という名文が配られる。死期が近いことを悟った思想家が若者に向けて「心の傾注」という言葉をキーワードに真摯な忠告を短い手紙のように書きつづったものだが、「読み終わったら、その紙から目を上げ、窓の外を眺めてみてください。なんて美しい風景でしょう。このキャンパスのいいところは、こういうものが見られることです。すぐ横に、そんなに美しいものがあるのに、活字ばかり追いかけてはいけません。読んだものは忘れて、見ることに、傾注してください。」と先生。 オバマ大統領の演説、斉藤茂吉のラブレター、しょ

  • 裸体とはじらいの文化史―文明化の過程の神話 - 情報考学 Passion For The Future

    ・裸体とはじらいの文化史―文明化の過程の神話 大変にユニークであり中身も濃く、面白い。5つ星の。 人類のはじらいの文化は、野蛮から文明化社会へ、不作法から洗練へ向かったという一般的な見方(ノルベルト・エリアスの文明論に代表される)を真っ向から否定する研究書。原始社会の人々は裸体や排泄する姿を人前に晒すことに恥を感じない野蛮な社会だったというのは根拠がないウソであるという。むしろ原始社会と言われる社会の方が恥の感性は発達しており、裸体の社会的管理も厳格だったりするのである。 全裸で暮らす≪未開の≫部族は、一見、裸に対して羞恥心を持たないかのように思えるが、実は彼らはお互いの裸体を見ないように暮らしているのだ。うっかり男性自身を硬直させないよう女性に近づかないように心掛ける。もし少女の陰部をみつめたりすればその親に報復されたり、村から追放される厳しいルールがある、などということが解説されてい

  • 傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 - 情報考学 Passion For The Future

    ・傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 驚き。品包装用ラップで傷が治る?。2001年よりインターネットで傷を消毒しない、乾かさない「湿潤治療」を啓蒙する医師の書いた。コペルニクス的な転回が面白い。 ・新しい創傷医療 「消毒とガーゼ」の撲滅を目指して http://www.wound-treatment.jp/ 1 傷を消毒しない。消毒薬を含む薬剤を治療に使わない。 2 創面(キズ)を乾燥させない という二つの原則を守るだけで傷(擦り傷、切り傷、火傷など)が驚くほど早く、痛くなく治ってしまうという。そして消毒薬は、傷を治すどころか、人間の細胞膜タンパクまで破壊してしまうから使うべきではないとする。これまでの医療の常識を覆す最新治療法である。 傷が乾いてカサブタができたら治るというのもウソだと教える。 「カサブタは要するに、中にばい菌を閉じ込めて上から蓋をするようなものである。

  • なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 記憶と時間の心理学 - 情報考学 Passion For The Future

    ・なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 記憶と時間の心理学 なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか?。10歳の子供にとって1年間はこれまでの人生の10分の1だが、50歳の人間には50分の1に過ぎない。だから年をとるにつれて時間は短く感じるようになる。これはジャネの法則と言われる有名な説だが、主観的描写に過ぎず、説明ではない。 加速する時間については 1 望遠鏡効果 一般に人は過去の出来事に実際より最近の日付をつけることが実験でわかっている。 2 レミニセンス効果 年少の頃は「はじめて」で印象的な出来事が多く、利用できる時間標識が多いため想起する量も多く、結果として最近の事だと感じてしまう。 3 体内の生理時計のリズム 体内メトロノームが加齢にともない減速していく。 が当の原因であると著者は心理実験データを根拠に解説している。記憶と想起にかかるバイアスの種類と原理がよくわかった。 あ

  • 2008年度 書籍売り上げランキング ベスト20 - 情報考学 Passion For The Future

    今年このブログの紹介記事を経由してAmazonで販売されたの売り上げ冊数ランキングです。今年は意外なが1位になりました。 ・2007年度 書籍売り上げランキング ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/12/200720.html ・2006年度 書籍売り上げ ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/01/200620.html ・2005年度 書籍売り上げランキング ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2005/12/200520.html ・2005年度 書籍売り上げランキング ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2004/12/6-1.html ■1位 科学する麻雀 http://www

  • 人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く - 情報考学 Passion For The Future

    ・人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く 経済合理性という視点から世の中の仕組みを鮮やかに解明した名著。「ヤバイ経済学」級のおもしろさ。いきなり「アメリカでは、オーラル・セックスをする未成年の割合が10年間で2倍に増えたのはなぜか」から始まってびっくりするが至って真面目なである。 合理性は人類の行動のあらゆる場面を支配している。たとえば、きまぐれに思える男女の出会いも案外、合理的だ。お見合いパーティを統計的に分析すると男女のマッチングに法則が見出されるという。 「たとえば男性は太りすぎていない女性を好む。そうだとするとある夜のスピードデートに太りすぎの女性がいつもの数の二倍参加したら、その夜はデートを申し込む男性が少なくなるはずだ。ところがそうはいかない。男性陣がデートを申し込む割合はまったく変わらないのである。そのため、太りすぎの女性が二倍居ると、デートに誘われる太りすぎの

  • 死ぬまでに知っておきたい 人生の5つの秘密 - 情報考学 Passion For The Future

    ・死ぬまでに知っておきたい 人生の5つの秘密 「これまでめぐりあったことのある、ご高齢の賢人といえば、誰ですか?」 米国とカナダに住む一万五千人に推薦してもらった結果、1000人の賢者のリストができた。町の理容師、教師、経営者、聖職者、詩人、政治家など、さまざまな職業や社会的地位の人物がいた。著者はそこから235人を訪問して長時間のインタビューを行った。 死ぬまでに人生について知っておくべきことは何でしょうか?次の世代に何を教えるべきでしょうか?。高齢になって周囲から賢人と呼ばれる人たちが語った人生の知恵を収集するプロジェクトが始まった。 賢人たちは人生が「あっという間」だったと口をそろえる。充実した人生は一層短く感じられるものかもしれない。 「トルストイは『アンナ・カレーニナ』のなかで、「幸福な家族はみな似ているが、不幸な家族はそれぞれ独自の不幸をかかえている」と記した。ぼくがインタビュ

  • Subject To Change -予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る - 情報考学 Passion For The Future

    ・Subject To Change -予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る ユーザーエクスペリエンス重視のコンサルティング会社として有名なAdaptive Path社のメンバーが執筆した製品開発の方法論集。イノベーション創造型ベンチャーの経営指針として有益なヒントになりそう。 「マーケティングの世界では、顧客が事実上ヒツジとして見られている。多数意見と宣伝文句という卓越風によってあっちこっちへと流される従順でのろまな生き物だ。人間に対するこうした見方が、何百万というフォーカスグループや市場調査を生み、追跡に熱中し、またポジショニングやパッケージ、広告などによって嗜好に影響を与えようという試みを引き起こした。」 多くの企業がユーザー調査から導かれる答えにばかり頼ってしまうのは、自分の考えで冒険するよりもリスクが少なくて、提案を通しやすいからという事情もありそうだ。調査結果に基づく提

  • 2007年度 年間オススメ書籍ランキング ノンフィクション部門 - 情報考学 Passion For The Future

    これ2008年ではなくて2007年のランキングです。 このブログでは年末年始に年間のおすすめ書籍をまとめているわけですが、昨年は書籍「フィクション編」は公開したのに、「ノンフィクション編」を公開しなかったことに気がつきました。いまは2008年版を作成中なのですが、その前に2007年度に読んだで面白くておすすめのリスト公開し忘れてしまいました版を公開しておきます。 なお、このリストは私がその年に読んだというだけで、その年に出版されたではありません。かなり昔の古典も含まれています。 【過去の年間ベスト おすすめ書籍】 ・2004年度 年間オススメ書籍ベスト20 このが良かった。 http://www.ringolab.com/note/daiya/2004/12/20.html ・2005年度 年間オススメ書籍ランキング ベスト20冊 http://www.ringolab.com/no

  • 人はなぜ形のない物を買うのか 仮想世界のビジネスモデル - 情報考学 Passion For The Future

    ・人はなぜ形のない物を買うのか 仮想世界のビジネスモデル 最近のオンラインゲームはアイテム課金が増えている。アイテム課金制のゲームでは月額などの定額課金制と違って誰でも無料でゲームを始められる。だが格的に楽しもうと思ったら、着飾るための衣服や仲間と連絡する道具などのアイテムを購入する必要がでてくる。この戦略が収益面で成功しているようだ。 このによると日のオンラインゲーム市場では定額課金制とアイテム課金制の平均単価は 定額課金(平均)アイテム課金(平均) 2005年 1338円         4483円 2006年 866円          4385円 という状況であるという。アイテム課金の方が4倍も儲かるという結果になった。無料版と有料P版を分けるというのではなくてゲーム内のアイテムを有料化する。このアイデアはゲーム以外のWebサービスでも使えるアイデアかもしれない。 著者はオン

  • 夢をかなえるゾウ - 情報考学 Passion For The Future

    ・夢をかなえるゾウ 不覚にも100万部売れてから読んだ。これ傑作ではないか。 なぜ今までこのを読まなかったのかといえば、作者の水野さんを知っていたからだ。 私の記憶では、4年以上前、彼は持っている服を全部浜辺で燃やして全裸で海に浸かりながら「リボーン」と叫ぶ"ミズノンノ"であり、竹刀を片手に性愛を語る熱血教師水野愛也だった。何度か私と田口さんが主宰するイベントにきてしゃべってもらったことがあった。 ・2004年05月21日 おしゃれ会議 満員御礼に感謝 報告第1弾 http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001557.html 「ミズノンノって誰?という方は勉強が足りません。あのミズノンノです。上のURLで確認してください。まあ、そういう事情で、持っている服をすべて燃やしてしまい、過去の手持ち服にとらわれないファッションの達人になると宣言し

  • 八甲田山死の彷徨 - 情報考学 Passion For The Future

    ・八甲田山死の彷徨 ド迫力。 日露戦争前夜の1902年に起きた八甲田雪中行軍遭難事件を題材にした新田次郎の小説映画化もされた。日陸軍の冬季訓練中に参加者210人のうち199人が死亡した日の登山史上で最悪の遭難事件である。 真冬の八甲田山は地元民でさえ怖がって立ち入らない地域であったが、帝国陸軍は対ロシア戦に備えてこの厳寒の山での長距離行軍訓練を行うことを決定する。ふたつの聯隊が選ばれて同じ日程で逆の行路を行くことになった。事実上の競争である。 「この雪中行軍が死の行軍になるか、輝かしい凱旋になるかは、この行軍に加わる人によって決ります。雪地獄の中で一人の落伍者が出ればこれを救うために十人の落伍者が出、十人の落伍者を助けるために小隊は全滅するでしょう。雪地獄とはそういうものです」 出発前より指揮官らは人間や組織が重要だと気がついてはいたが聯隊間の競争意識で目が曇った。面子を賭け大部隊で

  • グラウンデッド・セオリー・アプローチ―理論を生みだすまで - 情報考学 Passion For The Future

    ・グラウンデッド・セオリー・アプローチ―理論を生みだすまで 来はフィールドワーク研究手法のだがビジネスマンが読んでも学べる部分が多い。分析の方法がわからない現象をどうひも解いていくかの考え方が見えてくる。 質的研究とは現象に関しての先行研究の蓄積が少なく変数が把握されていないときに用いられる研究手法のこと。対象へのインタビューや参加観察、手記や自伝、手紙、カルテなどの資料の読み込みを通じて、背後にある概念を抽出し、概念同士の関係を解明して理論にする。内容分析、KJ法、現象学、マイクロ・エスノグラフィー、ナラティブ・アプローチなど質的研究手法と並んで有力な手法が書のテーマ「グラウンデッド・セオリー」である。 「グラウンデッド・セオリー・アプローチは、データに基づいて(grounded)分析を進め、データから概念を抽出し、概念同士の関係づけによって研究領域に密着した理論を生成しようとする