韓国で「日本からドルを借りればいい」との声が上がる。ウォン安が止まらず、通貨危機に陥る懸念が高まったからだ。日本は今回も韓国を助けるのだろうか――。(鈴置高史/韓国観察者) 5月21日の韓国外為市場は1ドル=1190ウォン台前半でもみ合い結局、前日比0・20ウォン高の1194・00ウォンで引けた。 韓国通貨当局は防衛ラインを1ドル=1200ウォンに敷いていると見なされている。これを超えると、ウォン売りが雪崩を打ちかねないと市場は見ている。ウォンは今、「危険水域」を目前に、ふらつく毎日だ。 5月20日に洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官が「金融市場に行き過ぎた偏りがあれば適切な措置を通じ、市場の安定を維持していく」と口先介入したことがウォン売りを抑えた。 半面、5月21日発表の5月上・中旬の通関統計はウォン売りの材料を提供した。5月1~20日の輸出は前年同期比11・7%減の257億