衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」をもたらした参院選の結果を受け、菅政権は、政策ごとに野党と連携する部分(パーシャル)連合を構築することで、どうにかして安定した政権運営ができないかと、模索しているようだ。しかし、野党に反発が強い法案であれば、大幅な修正を余儀なくされるし、そのための協議に費やす時間は膨大だ。物別れともなれば、また振り出しに戻り、政権の屋台骨は揺らぎに揺らぐ。 部分連合といえば、かつて、大平正芳元首相が提唱したことで知られる。与野党伯仲国会で厳しい国会対応を迫られた福田康夫元首相の実父、赳夫首相の下で、自民党幹事長を務めていたころだ。大平氏の部分連合に対する考え方はこうだった。 「国会の運営においても、私は部分連合という形で、自民党が一つの案件を提示し、野党に賛成か反対かを問い、ある政党は反対ということもあるし、またある政党はそこをちょっと直してくれたら賛成に踏み切っても