18日に選考会がある芥川賞の候補作、北条裕子さん(32)の小説「美しい顔」が波紋を呼んでいる。複数のノンフィクション作品との類似点があったためだが、そのとらえ方をめぐって出版界で議論が続いている。ことわりなき引用は果たして著作権の侵害なのか。文献を参考にする際のマナーと、書き手それぞれの「流儀」のかかわりをどう考えるべきなのか。問題の核はどこにあるのか。 北条さんのデビュー作「美しい顔」は5月、講談社の群像新人文学賞を受け、「群像」6月号に掲載された。東日本大震災で被災した女子高校生の一人称で、メディアの視線にさらされる思春期の心の揺れや、母の死を受け止めるまでの内面の変化を紡ぐ。 北条さんは9日、講談社を通じ、「配慮を欠いた」とおわびのコメントを出した。さらに「主人公の目から、あの震災を見つめ直してみたいと思いました。それは小説でなければやれないことでした」とした。 北条さんが参考にした
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