ロシアによるウクライナ侵攻に続いて、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘も続いている。「国益」の表れである戦争や国際紛争について、メディアは独立した第三者の立場から伝えることができているのか。政府と報道姿勢を巡って対立している英国の公共放送BBCの伝え方を例に考えた。【青島顕】 英国政府はハマスを「テロ組織」と断定 昨年10月7日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルに越境攻撃をかけたことを受け、自国民に死者を出した英国では、政府がハマスを「テロ組織」だと断定した。一方で公共放送BBCは「テロリスト」と直接表現することは避け、「武装組織」「過激派」などと放送した。 英国政府はBBCの報道姿勢を厳しく批判。スナク首相は「あいまいな表現を使う時ではない」と指摘し、シャップス国防相も「ただのテロリスト。BBCが『銃撃者』『戦闘員』と呼ぶの