かつて日本海側と瀬戸内を結ぶ鉄道の要衝として栄え、現在はスイッチバックやトロッコ列車が鉄道ファンに人気のJR木次線(きすきせん、宍道・島根県松江市-備後落合・広島県庄原市、82キロ)。険しい鉄路を戦前から戦後まで駆け抜け、現在は公園に展示中の蒸気機関車C56が解体の日を待っている。すでに地元議会が解体費用を可決。春までには処分されるが、地元ファンや国鉄OBからは、ともに歴史を刻んだ「ポニー」の保存を求める声が強まっている。(金正太郎) 2012年3月末までに解体が決まっているのは、JR木次駅(島根県雲南市)から約1キロ離れた公園に展示されているC56-108。1937年8月に三菱重工で製造されて、同年12月の木次線全通とともに配属された。 同市の住職、堀江晴俊さん(56)は「木次-備後落合間が主な運転区間だったが、転車台がない出雲横田(同県奥出雲町)止まりもあった。木次までの帰り、バックで