日経平均株価が3万8957円の過去最高値(日中値)を記録した1989年12月29日から、30周年を迎える日が近づいてきた。この30年間、とくに日本銀行がゼロ金利政策を導入しはじめたここ20年間、日本経済はつねに決定的な打開策を見つけることなくデフレの影と闘い続けてきた。だが、テクノロジーが発展した今日、日本銀行が「失われた30年」についに終止符を打てるかもしれない「秘策」を持ちつつあることを読者はご存じだろうか。 デジタル通貨用いた「本物の」マイナス金利の導入 その秘策とは、デジタル通貨を用いた「本物の」マイナス金利政策の導入だ。マイナス金利を導入している国ならすでに今でもあるじゃないかと思われる方もいるかもしれないが、今の日本や欧州諸国でとられているマイナス金利政策は「ほんの少しだけ」金利がマイナスなだけで、ゼロ金利とほとんど変わらない。 現在の「現金」が流通する通貨システムの下では、一