25年前にプロのマスクをかぶった男は、 以来、4つの球団を渡り歩き、400人超の投手の球を受けてきた。 左手を抉るように投げ込んでくる印象深い豪腕、 快腕の“受け心地”を今、あらためて振り返った。 「明日は雨じゃないですか? 左手の人差し指の付け根が白くなり始めましたから。天気が悪くなるとこうなるんです。血行障害で」 日本ハムのバッテリーコーチ兼捕手・中嶋聡は、そう言って笑った。 '87年、秋田・鷹巣農林高からドラフト3位で阪急(現オリックス)に入団。1年目から一軍に出場、西武、横浜(現DeNA)、日本ハムの4球団を渡り歩き、マスクをかぶり続けてきた。オールスター戦を含めて、受けた投手の数は400人超。“平成の名投手”たちの真剣勝負に数多く立ち会った。 「指が痛くなる球を投げる投手は、やっぱりいい投手なんですよ」と言って、変形している左手人差し指をじっと見つめた中嶋。その指は白く濁っていた
![<捕手人生26年・中嶋聡が振り返る> 野茂、松坂、ダルビッシュ 「怪物たちのボールの記憶」(永谷脩)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0c38c16883e91319a5146b80ac27375b1edda5af/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F4%2F4%2F-%2Fimg_44c5c08ae3eeb18173c4451f651e5f8c404047.jpg)