某大手塾グループの広報担当の50代の男性は次のように指摘する。「昔は、どんな参考書や問題集を使って、どんな風に志望校対策をするのかを自分で考えたもの。どう段取りを組むかというところまでを含めて受験勉強だった。結果的に総合的な人間力を試すことになっていた。入試の結果には、単なる知識量や学力だけでなく、作戦力や実行力、そして執念までもが反映されていた。しかし今、子供たちは塾に与えられたものをひたすら消化するだけになっている。それが中学受験ならまだわかる。しかし大学受験までもがそうなってきている」。 もともとの処理能力が高く、大量の課題に取り組み続ける耐久性があり、与えられた課題に対して疑いを抱かない能力があることが、現在の学歴ヒエラルキーのトップに君臨する条件だ。 ただしそれだけ負荷は大きい。「鉄緑会は、もともと能力の高い子が東大理IIIに確実に合格するための塾であり、そのほかの学部を狙うな