高性能の顕微鏡で撮影した歩くたんぱく質の観察画像(左)とモデル図=金沢大安藤敏夫研究室提供 2本の「脚」を持つたんぱく質の分子が歩くように動く様子を撮影することに、金沢大学の研究グループが成功した。ナノレベル(1ナノメートルは100万分の1ミリ)での動きを観察できる高性能の顕微鏡を開発し、分子の形と動きを同時にとらえた。この研究成果はナノテクノロジーの発展にも大きく貢献しそうだ。10日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表する。 撮影されたのは、細胞内で物質輸送を担う「ミオシンV」というたんぱく質。2本の脚で歩くことは推測されていたが、その仕組みなど詳細は不明だった。 金沢大理工研究域数物科学系の安藤敏夫教授と古寺哲幸(のりゆき)助教らの研究グループは、極細の針で試料をなぞって原子間に働く力を調べ、物質の微細構造を画像化する「原子間力顕微鏡(AFM)」を改良。針を安定的に高速で動かせるよ