mixiのメモから転載。 歴史と漫画 陳舜臣『ものがたり史記』と横山光輝『その名は101』を同時に読みながら考えていたことをメモしておく。 以前、横山光輝の漫画には善悪の区切りというものがあんまり無い、みたいな記事を書いていたが、それは横山の世代の漫画家は歴史を参考にして物語を綴っていたからなのだろうな、という連想をしていた。 歴史上の人物は「異説」や「異聞」が多く、実在の人物であれば人間臭い表裏があって当然で、特に『史記』を編纂した司馬遷の場合、どんな英雄的な人物であろうとも公平に「裏」まで描こうとするし、逆に悪人と決めつけて断罪することも少ない。横山作品は、史記が持つ「天道是か非か」の思想をそのままに受け継いていると言ってもいいかもしれない。 史記 - Wikipedia ゼロから作られるフィクションの、「物語のテーマ的要求」によって人為的に創作される「正義」や「ヒーロー」とは違って、