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ブックマーク / www.webchikuma.jp (11)

  • 「天才的なアイドル様」に寄せて|愛のある批評|西村 紗知|webちくま(1/4)

    2023年12月31日の紅白歌合戦で、YOASOBIアイドル」のパフォーマンスが大きな反響を呼びました。その直前に初の批評集『女は見えない』を上梓した西村紗知さんは、この演出ではじめて「アイドル」という曲が理解できたと言います。芸能界に急激な変化が訪れるなかで求められる、真の「天才的なアイドル様」とは誰なのか? ここ数カ月のニュースを思い出しつつお読みください。 1.昨年末から最近にかけての話 故・ジャニー喜多川元ジャニーズ事務所社長による性加害問題に関する報道が格的に過熱して以降、芸能界のハラスメント問題が世間を騒がせ続けている。昨年9月に宝塚歌劇団の団員が亡くなった件で、当初の方針から一転、親会社の阪急阪神ホールディングスはパワハラなどがあったことを認め、遺族側へ謝罪する意向を固めたという。ジャニーズ、歌舞伎界、宝塚に続き、お笑い界にもこの流れは及んでいる。昨年12月27日には「週

    「天才的なアイドル様」に寄せて|愛のある批評|西村 紗知|webちくま(1/4)
    Imamu
    Imamu 2024/03/26
    「「これでよかったのだ」と「このままではいけない」、この二つの気分に適った存在が「アイドル」となる」
  • 兵器への偏愛が生んだ一編の批評|ちくま新書|大塚 英志|webちくま

    戦時中、少なからぬ人々が、頭上を飛ぶB-29を見て「美しい」という言葉を残していました。人を殺す兵器を見て美しいと感じる、その感覚と深く向き合った『B-29の昭和史』の書評を、大塚英志さんに執筆していただきました。PR誌「ちくま」に掲載したものより少し長い、完全版です。 ぼくは言うまでもなく「おたく」の類だが、ミリタリー方面には疎く、手先が不器用でプラモデルも苦手だ。模型雑誌に一瞬手を出した時があったが、もっぱら海洋堂の綾波レイのガレージキットの情報が目当てで、買って箱ごと観賞用に飾るだけだった。それでもナチスドイツの戦車や飛行機の模型写真に思わず見とれる時があった。思想的にはぼくはベタなサヨクだが、その「思想」に反して、兵器のデザインを「美しい」と思うことがある。ぼくと比較するのはあまりに不遜だが、宮崎駿もその左派的発言とミリタリーマニアぶりの解離はよく知られている。若き日の宮崎がミリタ

    兵器への偏愛が生んだ一編の批評|ちくま新書|大塚 英志|webちくま
    Imamu
    Imamu 2023/07/27
    若林宣『B-29の昭和史――爆撃機と空襲をめぐる日本の近現代』書評
  • あの頃の前田敦子 (3)|愛のある批評|西村 紗知|webちくま(1/3)

    Imamu
    Imamu 2022/12/10
    「指原莉乃とは、「実存」と「システム」の結託の中からはあらわれるはずのなかった、本当に主体的なアイドルだった。その主体性とは、「父」を批判することでも、打ち倒すことでもなく、「父」を反復すること」
  • あの頃の前田敦子 (1)|愛のある批評|西村 紗知|webちくま(1/3)

    Imamu
    Imamu 2022/11/24
    「アイドルについて語るにあたっては自己批判が伴わなければならなくなり」「ファンの自意識は肥大化の一途」「ファンとの相互作用により、ますますアイドルたちは「その程度」性へと降りられなくなっているように」
  • オリンピックなどやりたい奴が勝手にやればよろしい|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま

    蓮實重彥さんの短期集中連載時評「些事にこだわり」第1回を「ちくま」5月号より転載します。東京オリンピックは2020のみならず1964もたいがいロクなものではなかった!? どちらかといえばスポーツが好きな人間なので、オリンピックという何やら禍々しい国家的な行事にはあまり関心が向かない。だからといって、その開催に断乎反対というほどの強い執着を持っているわけでもない。やりたい奴がいるなら勝手にやればよろしいというだけの話である。ただ、少なからず存在しているオリンピックへの無関心層を、「日の丸=君が代」騒動に巻き込むなとだけはいっておきたい。その思いは、例えばサッカーワールドカップについてもいえることで、国を背負って優劣を競いあう競技などと、選手たちがそれを意識した瞬間にスポーツであることをやめてしまう。 例えば、いま終わったばかりのサッカー2022カタール大会の二次予選で日がモンゴルを14対

    オリンピックなどやりたい奴が勝手にやればよろしい|些事にこだわり|蓮實 重彦|webちくま
    Imamu
    Imamu 2021/06/16
    「疎開時代に信州の田舎でしかと目にしたことがあるが、豚は思いのほか可愛らしい動物」「青梅街道を越える未完成の環七の橋桁の月夜の光景」
  • 第1回 くたばれ、本能――『BEASTARS』論(1)|くたばれ、本能。ようこそ、連帯。|高島 鈴|webちくま(1/3)

    アナキスト/フェミニストの高島鈴が、社会現象級の大ヒット作を正座で熟読。マンガと社会を熱く鋭く読み解く、革命のためのポップカルチャー論をお届けします。 第1回は、「動物版青春ヒューマンドラマ」を謳う板垣巴留『BEASTARS』(2016〜2020年連載/秋田書店)。第42回講談社漫画賞・少年部門賞、第11回マンガ大賞を受賞し、現在TVアニメの第2期が放送中の作は、「能」というテーマをどのように描き終えたのでしょうか。 ※この記事には漫画BEASTARS』の結末に関するネタバレが含まれます。 ●正論と能? 「くたばれ、正論」。今年の成人式に合わせて、エナジードリンクブランドの「RED BULL」が掲出した若者向け広告のキャッチコピーが目に留まった。大きな角を備えた雄牛の写真の上に、数行の散文が載っている。 以下に全文を引用する。 この世の行き過ぎた正しさが、君の美しいカドを丸く削ろう

    第1回 くたばれ、本能――『BEASTARS』論(1)|くたばれ、本能。ようこそ、連帯。|高島 鈴|webちくま(1/3)
    Imamu
    Imamu 2021/03/26
    「『BEASTARS』が「本能」を解体する物語ではなく、「本能」という消せない関門を「強くなる」ことで超えていく物語である点」
  • 戦時下の「共助」論|「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|大塚 英志|webちくま(1/5)

    図1 国会図書館の「自助・共助・公助」検索結果(2020年9月7日時点) 2011年の東日大震災の影響でこの時は自然災害への自助・共助を求め公助の限界を説く論考も登場するが、そもそも阪神淡路大震災の時にはなかった自然災害自己責任論が安倍政権下で増えるのは、政権の政策とやはり関わりがあると考えていい。第二次安倍政権における「自助・共助・公助」論は、社会保障の見直し論が中心的な用いられ方である。「自助・共助・公助」論はその意味で、新自由主義的自己責任論を意味する「安倍用語」と言えるのかもしれない。 †「自助」「共助」「公助」の出自 しかし、すこし振り返ってみれば「自助・共助・公助」の3語は日語としてはそれぞれ出自が違うことに気付く。 「自助」は明治初頭、サミュエル・スマイルズの『自助論(Self-Help)』が『西国立志編』として翻訳出版されて広がり、自由民権運動の政治結社「自助社」あたり

    戦時下の「共助」論|「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|大塚 英志|webちくま(1/5)
    Imamu
    Imamu 2020/09/13
    「翼賛体制下に於ける「共同」は一方では「隣保共助」という生活単位の「共同」化を求めるが、同時に身体そのものを「共同」して駆動する「機械」たれとも求めてくる」
  • 【第124回】小池百合子はモンスター?|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま

    ただいま話題のあのニュースや流行の出来事を、毎月3冊の関連を選んで論じます。書評として読んでもよし、時評として読んでもよし。「を読まないと分からないことがある」ことがよく分かる、目から鱗がはらはら落ちます。PR誌「ちくま」2020年8月号より転載。 7月5日の東京都知事選で予想通り、小池百合子知事が再選された。得票率59.7%。圧勝といえるだろう。 ところで都知事選の直前(5月30日)に出版された、石井妙子『女帝 小池百合子』が20万部のベストセラーになっている。著者は一躍時の人となり、新聞、雑誌のインタビューに引っ張りダコだ。SNSも絶賛の嵐。特に「リベラル系男性論客」の激賞ぶりはスゴかった。せっかくなのでツイートの一部を紹介しておく。 事実が虚飾をはいでいくサスペンスのようなノンフィクションです。(略)都知事選に向けてぜひにとお勧め。(参院議員・有田芳生) 「小池百合子」という人物

    【第124回】小池百合子はモンスター?|世の中ラボ|斎藤 美奈子|webちくま
    Imamu
    Imamu 2020/08/07
    "原武史『〈女帝〉の日本史』~"権力をもった女性が否定的に語り継がれていく場合、非常に淫乱な女だったという話が再生産""石井妙子『女帝 小池百合子』~政治家としての本質にかかわる部分を追及すべきでは"
  • 「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|大塚 英志|webちくま(1/4)

    5月4日、厚生労働省が新型コロナウィルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました。感染対策のために、「手洗いや消毒」「咳エチケットの徹底」といった対策を日常生活に取り入れることだけでなく、会話や事、働き方など様々な領域における行動について指針を示しています。 この「新しい生活様式」という言葉から、戦時下に提唱された「新生活体制」を想起するという大塚英志さんに、エッセイを寄せていただきました。 テレビの向こう側で滔々と説かれるコロナ下の「新しい生活様式」なる語の響きにどうにも不快な既視感がある。それは政治が人々の生活や日常という私権に介入することの不快さだけではない。近衛新体制で提唱された「新生活体制」を想起させるからだ。 かつて日が戦時下、近衛文麿が大政翼賛会を組織し、第二次近衛内閣で「新体制運動」を開始。その「新体制」は、経済、産業のみならず、教育文化、そして何より「日常」に及ん

    「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|「ていねいな暮らし」の戦時下起源と「女文字」の男たち|大塚 英志|webちくま(1/4)
    Imamu
    Imamu 2020/05/22
    花森安治 服飾(a)女性目線(生活,日常)/服飾(b)政治 「政治を日常の細部に、いわば女文字で落とし込んだ」/太宰治「十二月八日」by短編集『女性』1942
  • round.5 平成31年度東京大学学部入学式 祝辞(上野千鶴子)|フェミニスト両手ぶらり旅|金田 淳子|webちくま

    漫画・アニメ・小説ゲーム……さまざまな文化表象に、萌えジャージにBLTシャツの粋なフェミニストが両手ぶらりで挑みます。うなれ、必殺クロスカウンター!! (バナーイラスト・題字:竹内佐千子) 今回の「フェミニスト両手ぶらり旅」の題材は、私がそれなりに知っている人(恩師)の発言なので、厳密には「両手ぶらり」(ノーガード)で挑んでいるわけではない。 とはいえ、私は上野千鶴子ゼミでは他の追随を許さぬ不良学生(※不良債権という意味)だったので、面目なくて数年間お会いできていない。ここ半年間に至っては、「刃牙」シリーズという、上野先生が一生ぜったいに読まないであろう格闘マンガのことしか考えられない廃人になっている。 そういうわけで、上野先生が今年の東大の新入生に対して祝辞を述べ、それが話題になっているというニュースは、私にとってなにか「急に内側に入って来た」という感じがあった。 さっそく祝辞のページ

    round.5 平成31年度東京大学学部入学式 祝辞(上野千鶴子)|フェミニスト両手ぶらり旅|金田 淳子|webちくま
  • 不完全性の権威|ちくま学芸文庫|千葉 雅也|webちくま

    異色の読書論/教養論として話題を呼び、世界30カ国で翻訳されベストセラーとなった『読んでいないについて堂々と語る方法』。書がもつ奥行きの深さをあざやかに浮き彫りにする、気鋭の哲学者による論考を、PR誌「ちくま」11月号より掲載します。 権威とは、何だろうか?――僕がこの概念をしきりに気にするようになったのは、ピエール・バイヤールの『読んでいないについて堂々と語る方法』に衝撃を受けて以来だったか、それより前からだったか、思い出せない。ともかく僕の頭のなかで、権威の問題は、バイヤールのあのと密に関係している。 僕は、「ちゃんとした」読書をせねば、という強迫観念を、バイヤールのによって、ある程度は解消することができた。「読書の完璧主義」とでも言うべきものからの解放(しかし完璧な解放ではないのだが)。あらゆる読書は不完全である、そうでしかない……。そんなことは、わかっていたつもりである。

    不完全性の権威|ちくま学芸文庫|千葉 雅也|webちくま
    Imamu
    Imamu 2016/11/08
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