横浜市に住む男性が原発に関連する標語のプラカードを胸と背中に下げてJRや同市営バスに乗車しようとした際、駅員や乗務員(運転手)から「外してほしい」と求められた。プラカードは公共交通機関の場ではふさわしくない行為なのか。男性が「表現の不自由の空気を感じた」というが、その顛末(てんまつ)は。(野呂法夫)
政府のヒアリングは、内閣府の「国葬儀事務局」が主体となって実施。9月27日に行われた国葬の経費約12億4000万円について、支出の妥当性や法的根拠を検証している。 「こちら特報部」はまず、対象となるのはどの分野の有識者か聞いてみた。担当者は「憲法や行政法、政治、外交などの専門家20~30人を想定している」と説明。具体的に誰を選んだのか尋ねたが、「差し控える」とし、基準も明らかにしなかった。意見と論点を整理した上で公開し国会にも報告するというので、その時期を聞いたが、「現時点ではできるだけ早期にとしか言えない」。 非公開とした理由は「静かな環境で進めることが重要」と、松野博一官房長官と同様の説明に終始。既に終わった国葬について有識者の氏名や意見を公開すると、どんな不都合があるのか。重ねて質問したが、「会議で一度に意見を聴くわけではないので、個別の発言が報告前に外部に漏れることがないようにする
東京五輪・パラリンピックで、大会組織委員会が東京都や国の税金を使い、最上位スポンサーに発注した77件の個別の契約額を公表しないことが分かった。非公表の契約額は計800億円。都や国が5割強を、残りを組織委が負担した。組織委は公表に向け国際オリンピック委員会(IOC)と交渉したが、守秘義務を理由に応じなかったため断念したという。事業の原資に税金が含まれるにもかかわらず、使い方の妥当性を十分に検証できないことになる。(森本智之)
政府が検討している原発の運転期間の延長について、原子力規制委員会の山中伸介委員長は5日の記者会見で、現行の「原則40年、最長20年延長できる」という規定が原子炉等規制法(炉規法)から削除されることを容認した。これを受け、政府は東京電力福島第一原発事故を踏まえた現行規定の見直しを本格化させ、岸田政権が掲げる「原子力の最大限活用」に向け原発の60年を超える長期運転へ大きく政策が転換する。(増井のぞみ) 岸田文雄首相は8月24日の政府の会議で、2050年の脱炭素社会の実現に向けて、原発の運転期間の現行規定を見直す方針を明言。規制委が経済産業省に説明を求め、この日の定例会合で同省資源エネルギー庁の松山泰浩電力・ガス事業部長が「60年の上限を見直すべきだ」と新制度をつくる方針を示した。 松山部長は山中委員長を含めた5人の委員に、電力会社から「運転期間というハードルが設定されると再稼働もままならな
川崎市教育委員会の臨時会が二十三日開かれ、市民館と図書館への指定管理者制度導入に慎重な対応を求める陳情二件を不採択とし、制度導入を明記した市の「市民館・図書館の管理・運営の考え方」を承認した。 陳情は「川崎の文化と図書館を発展させる会」など二つの市民団体が提出。市民参加で十分な議論をすることや、市民にきちんと説明した上でのパブリックコメント(意見公募)実施などを求めていた。 同会の岡本正子事務局長は意見陳述で、市教委の付属機関である市社会教育委員会議に触れ、「同会議の総意として指定管理者制度導入を決めていない状態で、市教委が社会教育施設に導入を決めることはできないはずだ」と訴えた。 教育委員は審議で「市民館・図書館の管理・運営の考え方」について、今年一月の「中間とりまとめ」と五月の「案」に至る庁内での検討経過などを市教委事務局に確認。その上で「市教委事務局は適切なプロセスを踏み、それに基づ
物価高と賃金の伸び悩みへの対応は、参院選の大きな焦点になる。30年近く上がらない賃金では、現在の物価急騰をカバーできないからだ。アベノミクスの柱といわれた金融緩和は円安を助長し、さらに物価を押し上げる副作用も指摘されている。与野党には生活の防衛策の提示だけでなく、現在の政策が国民に及ぼす影響への検証も求められている。(渥美龍太)
自民党の安倍晋三元首相が安全保障政策や改憲などに関し、テレビ番組や講演で積極的に発信している。防衛費の5年での倍増や、敵基地攻撃能力の保有を巡って相手国の「中枢攻撃」の必要性を主張したほか、日銀の独立性を軽視するような持論も展開。参院選を控え、あえて物議を醸す発言をすることで、保守層の支持を固め、自らの影響力を誇示する狙いもありそうだ。(村上一樹) 安倍氏は4月21日、自ら会長を務める安倍派の会合で、防衛費の倍増に関して「防衛費の国内総生産(GDP)比2%は、5年くらいで達成する目標をしっかりと示すのが大切だ」と強調。敵基地攻撃では「中枢を攻撃することも含むべきだ」と訴え、4月末の党提言にはいずれも主張に沿った内容が明記された。 ロシアのウクライナ侵攻直後の2月には、米国の核兵器を日本に配備して共同運用する「核共有」の議論を提唱。これは非現実的として党提言に採用されなかったが、4月には憲法
ジェンダー平等の観点から、公立小中学校で男女混合出席簿の導入が進んでいる。島しょ部を除く東京都内の区市町村と首都圏6県の政令・中核市計68自治体に尋ねたところ、小学校は93.2%が導入していた。一方、中学校は74.7%にとどまる。専門家は「男女別出席簿は『性別で分けられる』という意識の刷り込みにつながる。繰り返し、『男子が先』に呼ばれる影響は大きい」と改善を求める。(奥野斐) 男女混合出席簿は、出席番号で男子の後に女子が続くのは男女平等にそぐわないなどとして、1980年代から導入され始めたとされる。本紙は1月から、68自治体の教育委員会に現状を尋ね、「新型コロナで業務が逼迫(ひっぱく)している」という東京都福生市を除き回答を得た。 都内では、小学校の導入は9割超。中学校は導入ゼロが16自治体で、そのうち13自治体を多摩地区が占めており、武蔵村山市は「保健関係の個人情報が男女別で、混合名簿も
地方公務員の非正規化が進んでいる。非正規公務員は15年で1.5倍に増加。4人に3人が女性という割合だ。当事者を中心に昨年設立した支援団体「公務非正規女性全国ネットワーク(通称・はむねっと)」は、自立できない賃金水準にあることなどの実態を明かし、このままでは「公共サービスが持続できなくなる」と警鐘を鳴らす。20日に都内で設立1周年の集会を開く。(畑間香織) 都内の放課後児童クラブで働く女性(48)は3月末で退職することを決めた。女性の給料は手取り月14万円、年収は200万円に満たない。単身のため、収入を増やせないかと、別の仕事を入れることも考えたが、児童の相手をしながら事務作業に追われる状況では体力的に難しく限界だった。女性は「現場を担うのは非正規やパート。行政がこの待遇で仕事をやれる人に甘えている」と憤る。
全額、現金で給付する意向を表明しているのは群馬県太田市や静岡県島田市、大阪市など。クーポンの印刷や配布の煩雑さ、利用できる商品・サービスの線引きの難しさなどが理由だ。 同様の検討を始めた愛知県犬山市の山田拓郎市長は本紙の取材に「給付のスピード、市民の利便性や満足度などを考えると、現金給付の方が効果が高い。そもそも市民はクーポンを望んでいない」と主張し、政府に柔軟な対応を求めた。 政府がクーポンにこだわるのは、貯蓄に回りやすい現金に比べ、子育て関連の支出が確実に見込め、地域経済の下支えにもつながると判断しているからだ。現金5万円を先行して年内に、残る5万円分のクーポンを来春の卒業、入学シーズンまでに配る予定で、松野博一官房長官は「それぞれ別の給付措置で、同時に支給することは想定していない」と強調する。
記者からは、医療提供体制が非常に厳しい中で大会を開き、学校連携観戦も行うことに都民の理解を得られると認識しているかを問う質問があり、小池知事は「はい。ぜひ理解していただきたいと思います」と答えた。 小池知事は会見の冒頭、10代以下の感染拡大に触れ、各家庭で毎日、子どもの検温をすることなどの健康観察を要請。子どもが元気であっても家族の誰かが体調不良のケースを例示し、「(子どもの)登校を控えていただきたい。そして、医療機関を受診していただいて、しっかりと対策を打っていただく。万全を期していただきたい」と求めた。学校に対しては感染対策の取り組み状況の再確認を求めたほか、児童生徒の感染状況に応じて、インターネットを活用した分散登校や時差通学、短縮授業などを行うように依頼した。 一方で、パラリンピックについては「パラリンピアンのパフォーマンス、競技に向けての挑戦を実際みていただくのは極めて教育的価値
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